導入前の課題:紙図面管理と見積業務の属人化

ジーエン図面導入前、株式会社若林精機工業では紙ベースで図面を管理していました。過去に見たことがある図面や、自分が見積回答した案件については記憶を頼りに探すことができるものの、他の担当者が抱えている案件までは把握しきれない状況がありました。
受注済みの案件であれば、既存システム上で名前や図番、図面番号を検索できる場合もあります。しかし、見積段階の案件や他の担当者が対応した案件については、すぐに確認できないこともありました。
過去は紙ベースでの図面管理しかしていなかったので、自分の記憶をたどって探していました。自分が回答した案件なら「過去にこんな図面を見たな」と探れますが、他の担当者が抱えている案件は把握できていないので、不在時に検索する術がないんです。逆に、自分が持っている案件も他の担当者からは見えませんでした。
とくに見積業務では、過去に似た図面や類似部品があったかどうかを確認することが重要です。過去の見積情報をもとに判断できれば、見積精度を保ちやすくなります。一方で、必要な図面や過去案件を探すのに時間がかかると、見積回答のスピードにも影響します。
同社では、過去の見積を探す時間は平均で5〜10分程度だったものの、探してもなかなか見つからない場合には2〜3時間かかることもありました。
平均で言えば5分、10分くらいだと思います。ただ、泥沼化すると2時間、3時間かかったこともあります。見たことがある図面なのに、いつの案件だったか思い出せないと、探すのにかなり時間がかかってしまいます。
直接的に顧客へ大きな迷惑がかかったわけではないものの、見積調査が長引くことで、より早く回答していれば受注につながった可能性もあります。見積スピードの遅れは、顧客対応や受注機会の面で見えにくい損失につながる可能性がありました。
また、今後の人材育成という観点でも課題がありました。見積業務の多くが2名の担当者に集中しており、将来的に新しい営業担当者が入社した際、過去の見積事例を簡単に検索し、学べる環境を整える必要がありました。
見積回答の9割以上は、自分ともう1名の担当者で対応しています。今後、新しい営業担当が入ったときに、過去にこういう加工をした、こういう見積を出したという情報を簡単に検索できれば、見積精度の維持や教育にも使えると思いました。
見積業務の属人化を解消し、過去の経験を次の世代へ引き継げる体制を整えること。それが、同社にとって重要なテーマとなっていました。
ジーエン図面を選んだ理由:信頼関係と使いやすさ、サポート体制への安心感

同社では、以前から図面検索システムの必要性を感じていました。実際に、2年以上前には他社の図面検索システムについて社長が説明を受けたこともあり、コストはかかっても図面検索の仕組みは必要だという話が以前から出ていました。
その中でジーエン図面を導入した理由の一つが、営業製作所との長年の信頼関係です。サービス内容をゼロから比較検討したというよりも、これまでの付き合いの中で、営業製作所であれば安心して任せられるという判断がありました。
図面検索システムの必要性は、何年も前から話していました。営業製作所さんとは長い付き合いがありますし、「ジーエン図面ならできるだろう」という信頼感がありました。
ただし、選定理由は信頼関係だけではありません。紙ベースの管理から脱却し、どこでも図面を確認できる管理性の向上、そして新人教育への活用という2つの目的が大きな導入理由でした。
選んだ理由としては、紙ベースでの管理から変えて、どこでも管理できる、どこでも見られるようにしたかったことが一つです。もう一つは、次の担当者や新人の教育に使っていきたいという点ですね。
機能面では、ファイル登録のしやすさも評価されました。デモや無料トライアルで深く使い込んだわけではないものの、ファイルを簡単に入れ込める点や、特殊な操作が不要な点により、営業部以外のメンバーでも使えるイメージを持てたといいます。
簡単にファイルを入れ込めますし、特殊なことをしなくていいですよね。少し説明すれば、自分だけではなく他の人でも触れると思いました。現場にも試しに触ってもらっているのは、そういう使いやすさがあるからです。
一方で、導入にあたって最大の不安は「使われなくなること」でした。紙ベースでの管理からデジタル管理へ移行するには、業務フローを変える必要があります。
一番怖かったのは、導入しても使わなくなることです。今までのやり方から移す変化点だと思うんです。人間の心理として、前のやり方の方が今はやりやすいと感じる部分もあるので、そこを変える難しさはあります。
それでも導入を決められた背景には、業務変革の必要性に加え、営業製作所のサポート体制への安心感がありました。わからないことがあれば直接聞くことができ、すぐに回答が返ってくる安心感が、導入への不安を軽減しました。
わからないことがあれば、直接聞いたらすぐ答えが返ってきます。そういうサポートは本当にありがたいです。
同社にとってジーエン図面は、単なる図面検索ツールではなく、営業部の見積業務を標準化し、将来の教育にも活用できる仕組みとして期待できるものでした。
導入後の成果:本格活用に向けた手応えと、過去図面検索による成功体験

現在はまだ本格活用の途中段階であるものの、すでに「導入していて助かった」と感じる場面も生まれています。
3年前の図面をすぐに検索でき、急ぎの見積対応に活用
実際に役立った場面として、2〜3年前のデータをジーエン図面に登録していたことで、過去に見た記憶のある図面をすぐに検索できたケースがありました。
見積依頼が来た際に、「見たことがある図面だ」と感じたものの、記憶だけではいつの案件だったかすぐに思い出せません。従来であれば、紙の図面や過去資料を探しながら時間をかけて確認する必要がありました。
しかし、ジーエン図面で検索したところ、該当する図面がすぐに見つかり、急ぎの場面で非常に助かったといいます。
3年前と2年前のデータを入れていたんです。ちょうど見たことがありそうな図面の見積が来て、記憶だけだといつの案件だったか探すのに時間がかかります。でも、検索したらすぐに出てきました。時間がないときだったので、『これこれ、これでよかった』という場面がありました。
この経験により、同社ではジーエン図面を正しく活用すれば、過去図面の探索時間を短縮し、見積対応の効率化につながるという手応えを得ています。
担当者ごとの見積情報を共有し、属人化解消につなげる
同社では、見積情報が担当者ごとに分散していたことが大きな課題でした。対応した案件は本人が把握している一方で、別の担当者が対応した案件はすぐに確認できない状況がありました。
ジーエン図面に過去図面や見積情報を蓄積していけば、担当者不在時でも類似案件を探しやすくなります。これにより、見積業務の属人化を防ぎ、営業部全体で情報を共有できる体制づくりが進められます。
自分が持っている案件は他の担当者が見られないですし、他の担当者が抱えている案件も自分には見えませんでした。ジーエン図面に入れていけば、担当者がいないときでも探せるようになるので、情報共有の面でも意味があると思います。
今後、登録データが増えていけば、過去の見積事例を営業部内で共有しやすくなり、担当者ごとの経験や記憶に頼らない見積体制の構築が期待できます。
新人営業の教育ツールとして活用できる可能性
ジーエン図面は、見積業務の効率化だけでなく、新人教育のツールとしても期待されています。
営業担当者が新しく入社した際、いきなり見積業務を正確に行うことは簡単ではありません。とくに樹脂切削加工では、過去の類似部品や加工事例を参照しながら、加工内容や見積の考え方を学ぶことが重要です。
ジーエン図面に過去の見積事例や類似図面が蓄積されていれば、新人営業は過去案件を検索しながら学ぶことができます。これにより、属人的なOJTだけに頼らず、実際の事例をもとに見積精度を高める教育が可能になります。
次の営業担当が入ってきたときに、過去にこういう加工をした、こういう見積をしたという情報を簡単に検索できれば、教育にも使えると思っています。見積精度を維持していくためにも、過去の事例を見られる仕組みは必要です。
ベテラン担当者の経験をデータとして残し、次世代の営業担当者へ引き継ぐこと。それも、同社がジーエン図面に期待している大きな役割です。
今後の活用:試作見積から量産見積へ、単価ブレや取りこぼしの防止へ

現在、ジーエン図面は新規試作の見積を中心に活用されています。同社では、今後は量産見積にも活用範囲を広げていく方針です。
量産品では、過去に似た部品を作っていた場合、その加工時間や単価データを参照することが重要です。寸法や穴位置、形状が少し違うだけの類似案件であれば、過去の正確な加工時間をもとに見積を出すことで、単価のブレや取りこぼしを防ぎやすくなります。
最終的には、量産の見積もりも入れ込んで、量産単価も検索できるようにしたいです。類似の量産見積が来たときに、穴の位置やサイズが少し変わっただけで、大部分は似ていることがあります。そういうものを引っ張ってこられれば、単価のブレや取りこぼしが少なくなると考えています。
たとえば、以前は2,000円で製作していた部品を、過去データを見ずに一から見積もった結果、4,000〜5,000円で回答してしまう可能性があります。そうなると、本来受注できた案件を逃してしまうかもしれません。過去の加工時間や見積データを正確に参照できれば、実績に基づいた見積回答がしやすくなります。
実際に加工しているものなら、加工時間という一番正確なデータが取れています。そこをもとに見積できれば、一番正確な見積につながると思います。
今後、試作図面だけでなく量産図面も蓄積していくことで、同社では見積精度の向上、受注機会の最大化、営業教育の効率化を進めていく方針です。
中小製造業にとってのジーエン図面:紙管理からの切り替えで生産性向上へ

同社と同じように紙ベースで図面を管理している中小製造業にとって、ジーエン図面は有効な選択肢になると言います。
紙管理では、図面を探す時間や担当者ごとの記憶に頼る場面がどうしても発生しますが、ジーエン図面のように図面をデータ化し、検索できる状態にしておけば、将来的には生産性が上がり、管理もしやすくなると考えています。
紙ベースで管理している会社なら、切り替えていった方が、将来的には確実に生産性も上がると思います。ドラッグ&ドロップでファイルを放り込めば、自動で読み取ってくれる手軽さも良いですね。
特に、自社で図面管理システムを持っていない企業にとっては、導入のハードルが低い点も魅力です。ファイルを簡単に登録でき、まずは主要機能から使い始められるため、システムに不慣れな企業でも取り組みやすいと感じています。
導入を検討している企業へのメッセージ

導入を迷っている企業に対して、「悩むよりもまず使ってみるべき」と話します。
初期費用がなく、月々の利用料だけで始められるのであれば、まず試してみる価値がある。仮に使わなかったとしても、登録したデータがすべて失われるわけではなく、整理されたファイルとして残るため、大きなリスクはありません。
また、図面整理にかかる時間を人件費として考えることも重要だと話します。経営者や営業担当者が図面整理に時間を使うよりも、その時間を顧客対応や社内の重要業務に向けた方が、生産性は高まります。
自分の給料を時給計算して、図面整理に使う時間やお金を考えれば、導入した方が確実に安いと思います。その時間をお客様や社内に向けた方が、よっぽど生産性は高いです。
紙図面管理からの脱却、見積業務の属人化解消、次世代の営業教育。ジーエン図面は、株式会社若林精機工業にとって、今後の営業体制を支える重要な仕組みになりつつあります。