導入前の課題:紙図面とPDFが併存し、過去図面の検索が記憶頼りになっていた

ジーエン図面導入前、株式会社春日工業では紙図面とPDFデータが併存していました。図面をPDF化してパソコンに保存していたものの、十分に整理されていたわけではなく、過去図面を探す際には、いつ頃対応した案件だったかを記憶でたどる必要がありました。
紙で管理しているものと、パソコンのデータで管理しているものがありました。ただ、PDF化してパソコンに入れていただけなので、何も整理がされていない状態でした。過去のものを見るにしても、自分の記憶で「だいたいこれくらいの時期にやったよな」と探しに行くようなやり方でした。
以前も図面管理用のソフトは利用していましたが、注文ごとに手動で登録する必要があり、検索性の面では課題がありました。また、注文書と図面はまとめて保管していた一方で、見積書は図面と紐づいていませんでした。
受注できた案件であれば、注文書から金額を確認できます。しかし、失注案件については図面や見積金額を追跡しづらく、一定期間が経つと処分していたといいます。
見積書は全然紐づけていませんでした。PDFで注文書と図面をそのファイルに入れて、それをソフトに入れているようなイメージです。取れなかったものは、もう分からないですね。時間が経てば処分していました。1年も残していなかったと思います。
特に課題となっていたのが、リピート品や類似品の見積金額のズレです。過去に似た案件を対応していても、記憶や過去データの探し方に依存していたため、参照する実績がずれたり、過去実績にたどり着けなかったりすることがありました。
その結果、顧客から「前回実績と金額が違うのではないか」と指摘されることもあったといいます。
多かったのは、「前回実績と金額がちょっとずれているけど、なんで?」と言われることです。リピートや類似品があるので、似たようなものを過去にやっていたのに、金額がずれていると指摘されることがありました。
見積回答の遅れ自体が大きな問題になっていたわけではありません。しかし、過去実績を探しづらい状態では、見積金額の判断が曖昧になりやすく、顧客対応や価格の一貫性に影響するリスクがありました。
紙図面とPDFデータが整理されずに併存し、注文書・図面・見積情報が十分に紐づいていない。その状況を解消し、過去実績を正確に引き出せる仕組みが求められていました。
ジーエン図面を選んだ理由:図面の見た目や形状から探せる類似検索に魅力

同社がジーエン図面に最も魅力を感じたのは、図番や名称ではなく、図面の見た目や形状から類似図面を検索できる点でした。
従来の検索では、図番やファイル名、注文名などを手がかりに探す必要があります。しかし、多品種少量の加工現場では、図番や名称を正確に覚えていないことも少なくありません。図面を見た記憶はあっても、いつの案件だったか、どの注文名だったかを思い出せない場合があります。
その点、ジーエン図面では図面の形状をもとに類似図面を検索できます。代表者は、この“見た目で探せる”点に大きな価値を感じました。
一番は図面の検索ですね。名前ではなく、図面に書かれたものから同じようなものを出してきてくれるところが一番魅力でした。画像検索のような感じでできるのが、一番のきっかけです。
導入時には、料金面の妥当性も確認しました。図面管理ソフトを買い切りで導入する場合には数百万円規模の費用がかかるという認識がありました。そのため、月額制で利用できるジーエン図面の価格については、相場感としても納得できたといいます。
一括のソフトで買おうと思ったら、普通は何百万円とかかるものだとは分かっていました。それを月額にするといくらぐらいなのか分からなかったので、調べたり、詳しい人に聞いたりしました。実際には、だいたいそれくらいだと思うという意見でした。
一方で、導入前に不安がなかったわけではありません。最も大きな懸念は、サービスの継続性と登録データの保存に関する点でした。クラウド上に登録したデータが、将来的にどう扱われるのか。サービスがなくなった場合にどうなるのか。そうした点を気にしていたといいます。
一番不安だったのは、データ保存の保証です。このサービスがなくなったらどうするのか、登録したデータはどうなるのかというところが一番の懸念でした。
そのため、導入初期はジーエン図面に登録するだけでなく、社内のローカルサーバーにも同じPDFデータを保存する形で運用していました。クラウドと社内データを併用することで、移行期の不安を抑えながら導入を進めました。
また、従業員の反応については、作業が楽になりそうだという期待があった一方で、慣れない操作に苦戦する場面もありました。ただし、使い続ける中で徐々に慣れ、現在では大きな混乱なく運用できるようになっています。
最初は慣れないことなので苦戦していたみたいです。ただ、今は悩んでいる様子があまり見られないので、多分慣れたんだと思います。慣れれば楽に使える、便利に使えるという実感があります。
ジーエン図面は、単に図面を保管するだけのツールではありません。形状から類似図面を探し、注文書や見積情報と結びつけ、過去実績を業務に活かす仕組みとして、同社の導入判断を後押ししました。
導入後の成果:過去5年分・約1万5,000枚の図面を登録し、検索と見積を効率化

ジーエン図面導入後、同社では過去5年分の図面を登録しました。登録枚数は約15,000枚にのぼります。
5年以上前の図面については、価格変動の影響が大きく、現在の見積参照には適さないと判断しました。そのため、まずは実務上の参照価値が高い5年分に絞ってデータを蓄積しています。
一応5年分ぐらいは入っています。5年以上前のものだと、値段もだいぶ変わってきているので、そこまではいいかなというところです。
類似検索で過去図面や注文書を確認しやすくなった
現在は、類似検索で過去図面を探し、必要に応じて注文書や案件登録データから金額を確認しています。
古い図面には金額が直接記載されていないため、一緒に取り込んだ注文書を確認します。一方、案件として登録したものについては、単価情報も登録されているため、見積作成時に参照しやすくなっています。
類似検索しても、過去の図面には金額が書いていないので、一緒に取り込んだ注文書を見ています。案件として登録したものは金額が入っているので、そこから拾ってくることもできます。
これにより、以前のように紙やPDFを記憶頼りで探す必要が減り、過去の注文や類似図面を引き出しやすくなりました。
見積作成が30分〜1時間から5分〜10分に短縮
導入後、代表者が特に効果を感じているのが見積作成の効率化です。
従来は、見積対象に似た図面を探し、見つからなければ新規品として一から積算する必要がありました。内容によっては、1件あたり30分から1時間程度かかることもありました。
しかし、ジーエン図面で類似図面を検索できるようになったことで、過去実績を参照しながら見積を作成しやすくなっています。類似図面が見つかれば、過去の金額をもとに、現在の相場や変更点を踏まえて調整できます。
見積がだいぶ楽になりました。下手すると1つ30分か1時間ぐらいかかっていたものが、5分、10分でできることもあります。
案件によっては、見積作成時間を5分の1から10分の1程度まで短縮できるケースもあります。特に、過去に見た図面や似た形状の部品であれば、ゼロから計算するよりも素早く判断できるようになりました。
一度見た図面は出てくる気がするので、その金額に合わせたり、ここが少し変わっているから増減させたりといった調整がしやすくなります。
CSV出力で事務担当者の転記作業も軽減
ジーエン図面は、代表者の見積作業だけでなく、事務担当者の業務効率化にもつながっています。
導入前は、顧客から送られてきた図面を紙に印刷し、代表者がそこに単価を書き込み、事務担当者がExcelへ品名・個数・単価を手入力して見積書を作成していました。
現在は、ジーエン図面上の単価欄に見積金額を入力し、CSV出力したデータをExcelへ貼り付けることで、見積書作成に活用しています。
以前は、送られてきた図面を紙に印刷して、そこに自分が単価を書いて、事務員さんに渡していました。事務員さんがそれをExcelに手打ちして、名前や個数、単価を入れて見積を出す流れでした。今は単価の欄に見積金額を入れておくと、CSVで出すときに単価も一緒に出てきます。それを貼り付けて見積を出すという流れです。
この運用により、代表者が紙へ書き込む作業や、事務担当者が手入力する作業が減りました。入力ミスの予防や転記時間の削減にもつながっています。
社内の情報共有が進み、事務部門からも「楽になった」と評価
ジーエン図面を導入したことで、社内の情報共有も進みました。過去の図面、注文書、見積金額がシステム上にまとまることで、担当者ごとに情報を探す手間が減り、必要な情報へアクセスしやすくなっています。
事務部門でも、導入当初は操作に慣れるまで苦戦したものの、現在では日常的に利用できるようになりました。
事務の方も楽にはなっていると思います。最初はパソコンが得意ではない人もいて苦戦しましたが、今はあまり悩んでいる様子がないので、慣れてきたんだと思います。
また、営業製作所側の改善対応も評価されています。以前は案件登録の際に別画面へ移動する必要があり、事務担当者が混乱する場面がありました。しかし、改善によりジョブ画面へ移動せずに案件登録できるようになり、操作しやすくなったといいます。
一時期、案件登録がしづらかったんですが、今はわざわざジョブに行かなくてもできるようになったので、すごく助かりました。ユーザーの意見を入れて、すぐ変えてくれるところが良いですね。
同社では、新機能が追加された際にも、社内で必要性を判断してから展開しています。全員がすべての機能を使うのではなく、自社の業務に必要な機能を整理しながら活用することで、無理なく定着させています。
空いた時間を情報収集や業界動向の把握に活用
ジーエン図面導入により、代表者自身の時間にも余裕が生まれています。
図面を探す時間や見積のための参照作業は、直接的に付加価値を生む業務ではありません。もちろん必要な作業ではありますが、その時間を削減できれば、代表者はより重要な業務に時間を使えるようになります。
同社では、短縮できた時間を情報収集や製造業の業界動向の把握などに充てています。
自分自身はだいぶ余裕ができたので、情報収集だったり、今の製造業の業界がどうなっているかを調べたり、別のことに時間を使えるようになりました。
多品種少量の金属加工では、見積・図面検索・注文管理に多くの時間がかかりがちです。そこを効率化することで、経営判断や顧客対応、将来に向けた情報収集に時間を回しやすくなります。
差分表示・重ね表示への期待:設計変更や類似品の違いをより分かりやすく

同社では、類似図面検索を中心に活用していますが、差分表示や重ね表示にも期待しています。
パイプベンダー関連金型や端末加工機用部品では、過去の類似品と今回の図面を比較する場面があります。穴位置や寸法、座標、注釈が少し違うだけで、加工内容や見積金額が変わることもあります。
ジーエン図面では、類似図面を重ねて表示したり、位置を合わせて差分を見たりすることで、設計変更点を確認しやすくなります。代表者は、今後さらに違いが分かりやすくなる機能に期待を寄せています。
重ねて表示できる機能に加えて、差分がより分かりやすく表示されるといいなと思いました。どこが違うのかがより簡単に分かるようになると、もっと使いやすいですね。
現在も差分機能の利用は始まっていますが、詳細な活用はこれからです。今後、類似図面の差分ハイライト表示の精度や速度が高まれば、見積時の確認作業や設計変更の把握にさらに役立つ可能性があります。
ジーエン図面が向いている企業:多品種少量で図面枚数が多い会社

代表者は、ジーエン図面が向いている企業として、多品種少量生産で図面枚数が多い会社を挙げています。
単品案件や類似品が多い企業では、過去に似た図面を探す機会が多くあります。図番や名称だけでは探しづらい場合でも、形状から検索できれば、過去実績にたどり着きやすくなります。
多品種少量とか、図面の枚数が多い会社には間違いなく良いと思います。自分もだいぶ重宝しています。
また、代表者は製造業以外への応用可能性にも触れています。広告制作や服飾CAD、パターン管理など、平面図や画像的なデータを扱う業界でも、類似検索や差分確認のニーズがあるのではないかと考えています。
製造業に限らなくてもいいのかなと思っています。広告を作るところや、服のパターンの図面を管理するようなところでも、使える用途はかなり広いのではないかと思います。
ジーエン図面は、図面管理システムとしてだけでなく、形状や見た目の似たデータを探す仕組みとして、幅広い業務に活用できる可能性があります。
導入を検討している企業へのメッセージ

デジタルツールやAI機能を導入する際、多くの企業が「自社で使いこなせるのか」「従業員が慣れるのか」という不安を抱えます。同社でも、導入初期には慣れるまでに苦戦する場面がありました。
しかし、使い続ける中で徐々に慣れ、現在では日常業務の中で活用できるようになっています。代表者は、40代・50代の担当者でも問題なく使えると感じています。
デジタルやAIに不安を持っている方は多いと思います。使いこなせるかどうか不安があると思いますが、営業製作所さんもフォローしてくれるので、怖がらずにやってみたらいいと思います。40代、50代の人が使う分には、うちもやれているので問題なくできると思います。最初は慣れるまで大変かもしれないですが、慣れたら楽です。慣れたら便利です。
図面管理や過去実績の検索は、多品種少量の製造業にとって避けて通れない業務です。ジーエン図面は、記憶や紙管理に頼っていた図面検索を効率化し、見積作成や社内情報共有を支える仕組みとして、同社の業務改善に貢献しています。紙図面やPDF管理に課題を感じている企業にとって、ジーエン図面は業務効率化と情報活用を進める有効な選択肢となるでしょう。