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近年、国土交通省が推進するCALS/EC(データ納品)の普及に伴い、自治体でのデータ化の取り組みが広がっています。
この影響で、CADの利用が急速に進み、図面のデータ化が重要な課題となっているのです。そのため、図面のデジタル化に取り組むことで、効率的な情報管理や迅速なアクセスが可能となり、業務の生産性が向上します。
そこで本記事では、図面データ化サービスの全体像とそのメリット、具体的な手順、対応する図面と形式について詳しく解説します。
また、弊社では図面管理の課題を全て解決するサービス「図面Engine」を提供しております。
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図面のデータ化とは?データ化サービスの全体像
図面のデータ化とは
図面のデータ化とは、紙の図面をデジタルデータに変換する作業のことを指します。紙の図面をスキャンし、専用のソフトウェアを用いて高解像度の画像ファイルに変換します。
これによって、検索、編集、共有が容易になり、保管スペースの節約や効率的な管理が可能となります。
データの変換には、スキャナー、OCR(光学文字認識)ソフトウェア、CADソフトウェアなどのツールが使用されます。
スキャナーは紙の図面を高解像度で読み取り、OCRソフトウェアはスキャンされた画像からテキストや数字を抽出します。また、CADソフトウェアは、これらのデータを使ってデジタル図面を作成、編集、保存するために使用されています。
図面データ化の重要性
図面をデータ化する対象として、建築図面、機械設計図、電気配線図、土木図面など、あらゆる種類の技術図面が含まれています。
これにより、各業界における設計や施工の作業効率が向上し、データの管理が容易になります。
紙の図面を管理するためには、大量の物理的な保管スペースが必要ですが、データ化することによってスペースを削減し、オフィスや倉庫のコスト節約にも繋がるのです。
また、容易にバックアップが取れますので紛失のリスクを大幅に減少させることができ、アクセス制御や暗号化を施しておけばデータの機密性と安全性を確保できます。
図面をデータ化する4つのメリット
①効率化と生産性の向上
図面をデータ化するメリットとして、検索機能を使って瞬時に必要な情報を見つけることが挙げられます。
従来の紙の図面では、目的の図面を探し出すのに時間がかかりがちですが、デジタルデータでは簡単に特定の図面や情報を見つけることができますので時間の無駄を減らします。
また、紙の図面を管理する際には手作業が必要となりますが、スキャンやデジタル管理に置き換えることで、人為的なミスも減り、全体の生産性が向上します。
②保管スペースの削減
紙の図面を保管するためには大量のスペースが必要ですが、デジタルデータにすることで物理的な保管場所が不要になり、オフィススペースの有効活用が可能となります。
また、保管に要する棚やキャビネット、定期的なメンテナンスのコストも削減できます。
③情報の共有とアクセスの容易化
デジタル化された図面は、ネットワークを介して簡単に共有できます。これにより、リモートワークや複数拠点での業務がスムーズに行え、効率的なコミュニケーションが可能になります。
また、必要な情報に迅速にアクセスできるため、意思決定の速度も向上します。複数のユーザーが同時にアクセスできるため、チーム間のコラボレーションが強化され、リアルタイムでの意見交換や修正も可能になります。
④データの保護とセキュリティ
デジタルデータは、バックアップが容易に取れるため、災害や盗難による情報の喪失を防ぐことができます。また、閲覧や編集の権限を設定できるため機密情報を守ることができます。特定のユーザーのみアクセスできるようにしておけばデータの漏洩リスクが低減し安全性が向上します。
さらに変更履歴を自動的に記録することができます。これにより誰がいつどのような変更を行ったのかを追跡でき、問題が発生した際に迅速に対応できます。
図面データ化の手順
①事前準備
まず現行の図面を整理し、スキャンに適した状態にします。必要に応じて、図面のクリーニングや修復を行います。
②スキャニング
次に、図面を高解像度のスキャナーでスキャンします。可能な限り高品質な画像でデータ化できるように設定を最適化します。
③デジタル化プロセス
スキャンした画像を専用のソフトウェアを使用してデジタルデータに変換します。その際に、OCR技術を用いて文字情報をテキストデータに変換します。
④データベースへの保存
最後に、デジタル化した図面をデータベースに保存します。データベースは、必要な図面を迅速に検索・閲覧できるように整理します。また、データのバックアップも定期的に行います。
弊社の図面Engineでは、もっとシンプルかつ簡単に図面を管理可能です。
図面データ化サービスの選び方
価格とコストパフォーマンス
図面データ化サービスを活用する際には、価格に対して得られる価値を比較検討することが大切です。コストとサービスのバランスが取れているか、データの更新や保守、サポート費用などの長期的なコストも考慮するといいでしょう。
サービスの品質
スキャン精度やデジタルデータの正確性は、業務の効率に直結するため、高品質なデジタル化を提供する業者を選ぶことが重要です。
実績と評判
多くのプロジェクトを手掛けた経験豊富な業者は、信頼性が高いといえます。
過去の顧客からのフィードバックやレビューを参考にすることで、業者の評判を把握できます。また、他の企業がどのように活用しているのか確認してみましょう。業者によっては、サイトや営業資料に掲載されているので、ぜひチェックしてみてください。
技術サポート
デジタル化後のサポート体制も考慮しましょう。仮に技術的な問題が発生した際にも、迅速に対応してくれる業者を選んでおけば、安心してサービスを利用できるからです。
そのため業者選びにおいては、サポートチームとのコミュニケーションが円滑に行えるかに注目します。連絡手段(電話、メール、チャットなど)が多様で、迅速に対応してくれる業者が望ましいです。
図面データ化の活用事例
製造業での事例
デジタル化された図面は、製品設計の段階から使用され、変更や修正が容易に行えるため、スムーズに作業を進行することが可能です。
また、製造ラインでは、リアルタイムでの図面アクセスが可能になるため、正確な機器の配置や作業手順を指示できますので、製造効率が向上し、不良品の発生率を最小限に抑えることができます。
さらに、部品番号や仕様を容易に検索し必要な部品を迅速に特定して発注できますので、在庫管理の効率が向上し、余剰在庫の削減にもつながります。製品の品質検査も効率化できますので、不良品の早期発見と改善が可能になります。
建築業での事例
デジタル図面は、設計者、施工者、クライアント間での情報共有をスムーズにしますので、現場での変更や修正が必要な場合でも即座に対応でき、作業の遅延を防ぎます。
また、材料の使用量や工数を正確に計算し、予算の適正化が図れますので、コストオーバーのリスクを低減させることが可能です。
さらに、危険箇所や安全対策をデジタル化することで視覚的に確認でき、現場作業員の安全意識を高めることができます。
設計事務所での事例
設計事務所では、過去の設計図や現在進行中のプロジェクトの図面をデジタル化することで、設計の効率化と品質向上を図っています。
また、デジタル図面を3Dモデル化することで、クライアントに視覚的に理解しやすい形で提案できますので、デザインの意図や構造を正確に伝えることができます。
図面データ化における技術や形式・管理について
OCR技術
OCR(光学文字認識)技術は、紙の図面に含まれる文字情報をデジタルテキストに変換するために使用されます。これにより、手書きや印刷された文字をデジタルデータとして認識し、検索可能なテキストに変換できます。
最新のOCR技術は、認識精度が飛躍的に向上しており、手書き文字や複雑なフォントも正確に読み取ることができます。また、誤認識を防ぐために、AI技術や機械学習を組み合わせて、認識精度をさらに高める取り組みが進められています。
CADソフトとの連携
CAD(Computer-Aided Design、コンピュータ支援設計)ソフトは、デジタル図面を作成、編集、管理するためのツールです。図面の編集や解析を容易にする多くのツールを提供しています。
デジタル化された図面をCADソフトと連携することにより、既存の図面データを活用して新しい設計を行うことができ、設計プロセスの効率が大幅に向上します。
そのため、図面データ化サービスでは、さまざまなCADフォーマット(DXF、DWG、JWWなど)との互換性が求められます。これらのフォーマットに対応したデジタルデータを生成し、異なるシステム間でのデータ交換をスムーズに行うことができます。
クラウドストレージの活用
クラウドストレージは、インターネットを介してデータを保存・管理するサービスです。
Google Drive、Dropbox、OneDriveなど多くのクラウドサービスが提供されており、これらのサービスを利用することで、デジタル図面を安全かつ効率的に保管することができます。
また、関係者が場所を問わずリアルタイムで同じデータにアクセスできるため、情報共有がスムーズに行えるようになり、リモートワークや現場での作業も効率化されます。
さらに、高度なセキュリティ機能を備えているため、データの暗号化やアクセス制御が可能であり、デジタル図面の機密性を確保できます。自動バックアップ機能を利用しておけば、データの紛失や破損も防ぐことが可能です。
図面のデータ化でよくある質問 (FAQ)
Q1.図面データ化の費用はどのくらい?
A1.図面データ化の費用は、図面の量や種類、業者の料金体系によって異なります。一般的には、枚数やスキャンの解像度によって価格が決まります。
Q2.データ化にかかる時間は?
図面の量やデジタル化の方法によりますが、一般的には数日から数週間かかることがあります。そのため、納期の目安を確認しておくようにしましょう。
Q3.データのセキュリティはどう確保されますか?
多くの業者は、データの暗号化やアクセス制御などのセキュリティ対策を実施しています。どのようなセキュリティ対策が可能なのか確認することが重要です。
Q4.古い図面もデータ化できますか?
はい、古い図面もデータ化可能です。ただし、図面の状態によっては、クリーニングや修復が必要になる場合があります。
Q5.特定のソフトウェアが必要ですか?
特定のソフトウェアは必ずしも必要ありませんが、CADソフトやPDFビューアなど、デジタル化された図面を閲覧・編集するためのソフトウェアがあると便利です。
まとめ
本記事では、図面のデータ化について詳しくお伝えしました。
図面データ化は、業務の効率化と生産性向上、情報の保護とセキュリティ強化に大きく貢献します。そのため技術の進化とともに、その重要性はますます高まっており、企業の成長と成功に不可欠な要素となっています。
ぜひ図面データ化を積極的に推進し、最新の技術を取り入れることで、業務の最適化と競争力の向上を図りましょう。他にも、営業製作所では製造業界に特化したマッチングサービス「Eigyo Engine」を使い、貴社の技術が活かせる企業を全国からリサーチ、お引き合わせしています。
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