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「マシニングセンタを導入したい!」
マシニングセンタの導入は、製造業の競争力を大きく向上させるためには重要です。しかし、高度な技術を備えた設備の導入には相応の初期投資が必要となります。そこで、多くの企業が目を向けるのが、国や地方公共団体から提供されるさまざまな補助金や助成金です。
これらの支援制度を活用することで、経済的負担を軽減し、事業の持続可能性を高めることが可能になります。ただ、どのような補助金があるのか、本当に補助金を活用することができるのか知りたいという方が少なくありません。
そこで本記事では、マシニングセンタを導入するために活用できる補助金をご紹介します。
マシニングセンタの導入に活用できる補助金5選
- ものづくり補助金
- 事業再構築補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- 業務改善助成金
- 働き方改革推進支援助成金
それぞれの補助金について、特徴や条件、採択率も踏まえて、以下に詳しくご紹介します。
ものづくり補助金
「ものづくり補助金」は、革新的な製品やサービスの開発、効率的な生産プロセスの構築による生産性の向上を目指す企業を支援する制度です。
特に、生産の効率化や省力化を実現するための設備投資に焦点を当てた支援が行われています。
補助対象者 | ■中小企業者(組合関連以外) 製造業、建設業、運輸業、旅行業、卸売業、 サービス業、小売業、ゴム製品製造業、 ソフトウェア業(または情報処理サービス業)、 旅館業、その他の業種 ■中小企業者(組合・法人関連) 企業組合、協業組合、事業協同組合、 事業協同小組合、協同組合連合会、 商工組合、商工組合連合会など ■小規模企業者・小規模事業者 製造業その他:20人以下の会社および個人事業主 商業・サービス業:5人以下の会社および個人事業主 サービス業のうち宿泊業・娯楽業:20人以下の会社および個人事業主 ■特定事業者の一部 製造業、建設業、運輸業:500人以下 卸売業:400人以下 サービス業または小売業 (ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く):300人以下 その他の業種(上記以外):500人以下 ■特定営利活動法人 ■社会福祉法人 |
補助対象経費 | 機械装置・システム構築費、技術導入費、 専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費など |
補助要件 | ①付加価値額:年平均成長率+3%以上増加 ②給与支給総額:年平均成長率+1.5%以上増加 ③事業場内最低賃金:地域別最低賃金+30円以上 ※以上を満たす3~5年の事業計画書の策定、および実行 |
補助上限額 | ■省力化(オーダーメイド)枠 従業員数 ・5人以下 :100万円~750万円 ・6~20人 :100万円~1,500万円 ・21~50人 :100万円~3,000万円 ・51~99人 :100万円~5,000万円 ・100人以上:100万円~8,000万円 ■製品・サービス高付加価値化枠 ①通常類型 従業員数 ・5人以下:100万円~750万円 ・6~20人:100万円~1,000万円 ・21人以上:100万円~1,250万円 ②成長分野進出類型(DX・GX) 従業員数 ・5人以下:100万円~1,000万円 ・6~20人:100万円~1,500万円 ・21人以上:100万円~2,500万円 ■グローバル枠 ・100万円~3,000万円 |
補助率 | ■省力化(オーダーメイド)枠 中小企業 ・補助金額1,500万円まで:1/2 ・補助金額1,500万円を超える部分:1/3 小規模企業者・小規模事業者 ・補助金額1,500万円まで:2/3 ・補助金額1,500万円を超える部分:1/3 ■製品・サービス高付加価値化枠 通常類型 ・中小企業:1/2 ・小規模企業者・小規模事業者:2/3 ・新型コロナ回復加速化特例 :2/3 成長分野進出類型(DX・GX) ・中小企業:2/3 ・小規模企業者・小規模事業者:2/3 ■グローバル枠 ・中小企業:1/2 ・小規模企業者・小規模事業者:2/3 |
採択率 | 50%~60%程度 |
マシニングセンタを導入し、製造プロセスの自動化や高度化を実現することで、生産効率を大幅に向上させることが可能です。
「ものづくり補助金」を活用することで、事業運営の安定化や、中長期的な成長基盤の強化につながるため、企業の競争力を一段と高めることが期待されます。
参考『ものづくり補助金総合サイト』
ものづくり補助金の目的は、中小企業や小規模事業者が直面するこれらの変化に効果的に対応し、長期的な視点で競争力を維持するための支援を提供することにあります。具体的には、新しい製品やサービスの開発、生産プロセスの改善による省力化など、生産性を向上させるための設備投資を支援します。
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事業再構築補助金
新型コロナウイルス感染症がもたらした経済の変化に直面し、多くの中小企業が需要の低迷や売上の減少が続き、短期間内の回復が難しい状況です。
このような中、事業の再構築や新たなビジネスモデルへの転換が、企業存続や成長のための重要な戦略となります。ここで重要な役割を果たすのが「事業再構築補助金」です。
具体的には、新しい事業分野への展開、既存事業の転換や業種の変更、さらには事業形態の転換や再編など、大胆な事業の再構築を計画している中小企業を支援します。
補助対象者 | ■成長枠 ① 取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、 市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していること ② 事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること ■グリーン成長枠(エントリー) ①グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に 資する取組として記載があるものに該当し、その取組に関連する1年以上の 研究開発・技術開発又は従業員の5%以上に対する年間20時間以上の 人材育成をあわせて行うこと ②事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること ■グリーン成長枠(スタンダード) ①グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に 資する取組として記載があるものに該当し、その取組に関連する2年以上の 研究開発・技術開発又は従業員の10%以上に対する年間20時間以上の 人材育成をあわせて行うこと ②事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること ■卒業促進枠 ①成長枠又はグリーン成長枠に、同一の公募回で申請すること。 ②成長枠又はグリーン成長枠の補助事業の終了後3〜5年で 中小企業・特定事業者・中堅企業の規模から卒業すること ■大規模賃金引上げ促進枠 ①成長枠又はグリーン成長枠に、同一の公募回で申請すること。 ②成長枠又はグリーン成長枠の補助事業の終了後3〜5年の間に、 事業場内最低賃金を年額45円以上の水準で引上げること。 ③成長枠又はグリーン成長枠の補助事業の終了後3〜5年の間に、 従業員数を年率平均1.5%以上 (最低事業計画期間×1人の増員が必要)増員させること ■産業構造転換枠 ①現在の主たる事業が過去~今後のいずれか10年間で、 市場規模が10%以上縮小する業種・業態に属しており、 当該業種・業態とは別の業種・業態の新規事業を実施すること ②地域における基幹大企業が撤退することにより、 市町村内総生産の10%以上が失われると見込まれる地域で事業を実施しており、 当該基幹大企業との直接取引額が売上高の10%以上を占めること。 ■サプライチェーン強靱化枠 ①取引先から国内での生産(増産)要請があること (事業完了後、具体的な商談が進む予定があるもの) ②取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が 10%以上拡大する業種・業態に属していること ③ ⑴経済産業省が公開するDX推進指標を活用し、自己診断を実施し 、結果を独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に対して提出していること。 ⑵IPAが実施する「SECURITY ACTION」の「★★ 二つ星」の宣言を行っていること。 ④ ⑴交付決定時点で、設備投資する事業場内最低賃金が地域別最低賃金より 30円以上高いこと。ただし、新規立地の場合は、当該新事業場内最低賃金が 地域別最低賃金より30円以上高くなる雇用計画を示すこと。 ⑵ 事業終了後、事業年度から3~5 年の事業計画期間終了までの間に 給与支給総額を年率平均2%以上増加させる取組であること ⑤「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイトにて、宣言を公表していること。 ■最低賃金枠 ① 2022年1月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、 2019年~2021年の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること ② 2022年10月から2023年8月までの間で、3か月以上最低賃金+50円以内で 雇用している従業員が全従業員の10%以上いること ■物価高騰対策・回復再生応援枠 ① 2022年1月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、 2019年~2021年の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること ②中小企業活性化協議会から支援を受け、再生計画等を策定していること |
補助対象経費 | 建物費(建物の建築・改修等)、機械装置・システム構築費、 技術導入費(知的財産権導入に要する経費)、外注費(加工、設計等)、 広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)、 研修費(教育訓練費等)など |
補助要件 | ①事業計画について認定経営革新等支援機関や金融機関の確認を受けること。 ②補助事業終了後3〜5年で付加価値額の年率平均3〜5%(申請枠により異なる) 以上増加、または従業員一人当たり付加価値額の年率平均3〜5% (申請枠により異なる)以上増加の達成。 |
補助上限額 | ■成長枠 従業員数 ・20 人以下:100万円~2,000万円 ・21~50 人:100万円~4,000万円 ・51~100 人:100万円~5,000万円 ・101人以上:100万円~7,000万円 ■グリーン成長枠(エントリー) 従業員数(中小企業) ・20人以下:100万円~4,000万円 ・21~50人:100 万円~6,000万円 ・51人以上:100万円~8,000万円 ■グリーン成長枠(スタンダード) 従業員数(中小企業) ・1億円 ■卒業促進枠 成長枠・グリーン成長枠の補助金額上限に準じる ■大規模賃金引上げ促進枠 100万円~3,000万円 ■産業構造転換枠 ・20人以下:100万円~2,000万円 ・21~50人:100 万円~4,000万円 ・51人~100人:100万円~5,000万円 ・100人以上:100万円~7,000万円 ■サプライチェーン強靱化枠 5億円 ■最低賃金枠 従業員数 ・5人以下:100万円~500万円 ・6~20人:100 万円~1,000万円 ・21人以上:100万円~1,500万円 ■最物価高騰対策・回復再生応援枠 従業員数 ・5人以下:100万円~1,000万円 ・6~20人:100 万円~1,500万円 ・20人~50人:100万円~2,000万円 ・51人以上:100万円~3,000万円 |
補助率 | ■成長枠 ・中小企業者等:1/2 ・中堅企業等:1/3 ■グリーン成長枠 ・中小企業者等:1/2 ・中堅企業等:1/3 ■卒業促進枠 ・中小企業者等:1/2 ・中堅企業等:1/3 ■大規模賃金引上げ促進枠 ・中小企業者等:1/2 ・中堅企業等:1/3 ■産業構造転換枠 ・中小企業者等:2/3 ・中堅企業等:1/2 ■サプライチェーン強靱化枠 ・中小企業者等:1/2 ・中堅企業等:1/3 ■最低賃金枠 ・中小企業者等:3/4 ・中堅企業等:2/3 ■最物価高騰対策・回復再生応援枠 ・中小企業者等:2/3 ・中堅企業等:1/2 |
採択率 | 30%~50%程度 |
マシニングセンタの導入を検討している企業にとって、この補助金を活用することによって、新たな市場に挑戦でき、生産体制を一新するための基盤を築くことができます。マシニングセンタの導入は、生産プロセスの自動化や高効率化を実現し、新たな製品の開発や品質の向上に直結するからです。
事業再構築補助金を活用することで、マシニングセンタの導入を含む、事業転換や新分野への挑戦を経済的な負担を抑えつつ実現することができます。
コロナ禍の影響を乗り越え、さらにはその先の成長を見据えた事業展開が可能になることでしょう。
参考『事業再構築補助金』
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者や特定の非営利活動法人(NPOなど)は、働き方改革、被用者保険の適用範囲の拡大、賃金の上昇、インボイス制度の導入といった様々な制度変更に対応しなければなりません。
「小規模事業者持続化補助金」は、このような環境下で小規模事業者が直面する課題に対応し、持続可能な発展を促進することを目的としています。
小規模事業者持続化補助金の主な狙いは、小規模事業者が自ら策定した経営計画に基づき、販路開拓や商品・サービスの改良・開発などに取り組む際の経費の一部を支援することにあります。
例えば、新たな市場への進出や、未開拓の顧客層へアプローチするための戦略的な取り組み、製品の質の向上や新製品の開発などが含まれます。これにより、地域経済の活性化を図りつつ、小規模事業者の競争力強化と生産性の向上を実現することが目指されています。
補助対象者 | ①小規模事業者であること ②資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%の株式を 保有されていないこと(法人のみ) ③確定している(申告済みの)直近過去3年分の「各年」又は「各事業年度」の 課税所得の年平均額が 15億円を超えていないこと ④採択を受けて、補助事業を実施した場合、各事業の交付規程で定める様式 第 14「小規模事業者持続化補助金に係る事業効果及び賃金引上げ等状況報告書」を 原則本補助金の申請までに受領された者であること ⑤小規模事業者持続化補助金<一般型>において、 「卒業枠」で採択を受けて、補助事業を実施した事業者ではないこと。 |
補助対象経費 | 機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、 展示会等出展費 展示会・商談会の出展料、旅費、開発費、資料購入費、 雑役務費、借料、委託・外注費など |
補助要件 | ■賃金引上げ枠補助事業の終了時点において、事業場内最低賃金が申請時の 地域別最低賃金より+30円以上であること。 ■卒業枠補助事業の終了時点において、常時使用する従業員の数を増やし、 小規模事業者の従業員数を超えて規模を拡大すること ■後継者支援枠申請時において、「アトツギ甲子園(※)」の ファイナリスト及び準ファイナリストになった事業者であること。 ■創業枠産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定市区町村」と 連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業」による 支援を公募締切時から起算して過去3か年の間に受け、かつ過去3か年の間に開業した 事業者であること。 |
補助上限額 | ■通常枠 50万円 ■賃金引上げ枠 200万円 ■卒業枠 200万円 ■後継者支援枠 200万円 ■創業枠 200万円 |
補助率 | ■成長枠 2/3 ■賃金引上げ枠 2/3(赤字事業者については3/4) ■卒業枠 2/3 ■後継者支援枠 2/3 ■創業枠 2/3 |
採択率 | 60%程度 |
マシニングセンタを導入したい企業にとっても、「小規模事業者持続化補助金」は大きなチャンスと言えます。
マシニングセンタの導入は、生産効率の大幅な向上や製品品質の改善に直結し、結果として新たな販路開拓や市場拡大に貢献する可能性を秘めています。
補助金を活用することで、導入に伴う初期費用の一部が軽減され、技術革新への投資がより手軽になります。
「小規模事業者持続化補助金」を通じて、地域の産業を支える小規模事業者が、経済社会の変化に柔軟に対応し、持続的な成長を遂げるための支援を受けることができるのです。
マシニングセンタの導入を検討している企業は、この補助金の活用を積極的に検討することで、事業の発展と地域経済への貢献の両立を目指すことが期待されます。
業務改善助成金
業務改善助成金は、企業の生産性を高めるための機械設備の導入や、コンサルティングサービスの活用、従業員のスキルアップを目的とした人材育成や教育訓練など、幅広い取り組みを支援する制度です。この助成金の特徴は、単に設備投資を支援するだけでなく、事業主が事業場内での最低賃金を一定の基準以上に引き上げることを条件に設けている点にあります。
つまり、生産性向上と従業員の待遇改善を同時に促進することを目的としています。
補助対象者 | ①中小企業・小規模事業者であること ②事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内であること ③解雇、賃金引き下げなどの不交付事由がないこと |
補助対象経費 | 助成対象事業場における、生産性向上に資する設備投資など |
補助要件 | 雇入れ後3か月を経過した労働者の事業場内最低賃金の引き上げ |
補助上限額 | ※30人未満の事業者(カッコ内はそれ以外の事業者) ■30円コース ・1人 60万円(30万円) ・2〜3人 90万円(50万円) ・4〜6人 100万円(70万円) ・7人以上 120万円(100万円) ・10人以上 130万円(130万円) ■45円コース ・1人 80万円(45万円) ・2〜3人 110万円(70万円) ・4〜6人 140万円(100万円) ・7人以上 160万円(150万円) ・10人以上 180万円(180万円) ■60円コース ・1人 110万円(60万円) ・2〜3人 160万円(90万円) ・4〜6人 190万円(150万円) ・7人以上 230万円(230万円) ・10人以上 300万円(300万円) ■90円コース ・1人 170万円(90万円) ・2〜3人 240万円(150万円) ・4〜6人 290万円(270万円) ・7人以上 450万円(450万円) ・10人以上 600万円(600万円) |
助成率 | ・900円未満:9/10 ・900円以上950円未満:4/5(9/10) ・950円以上:3/4(4/5) ※カッコ内は生産性要件に該当した場合 |
採択率 | 60%前後 |
マシニングセンタは、製造プロセスの自動化や効率化に貢献し、生産性の大幅な向上を実現します。
そのため、企業の競争力を高めるとともに、高品質な製品の迅速な供給を可能にします。
業務改善助成金を利用することで、これらの設備投資に要する費用の一部を補填し、企業の負担を軽減することが可能になります。
さらに、この助成金は従業員の待遇改善も重視しています。
設備投資と並行して、最低賃金の引き上げに取り組むことで、従業員のモチベーション向上や働きがいのある職場環境の実現を図ることができます。
従業員が充実した環境で働くことができれば、生産性の向上にもさらにつながることになります。
業務改善助成金は、マシニングセンタの導入を通じて生産性の向上を目指す企業にとって、資金面だけでなく、人材面においても大きな支援を提供できるものです。
企業がより良い製品を効率的に生産し、同時に従業員の働きがいも向上させるために、この助成金の活用を積極的に検討することが推奨されています。
参考『業務改善助成金|厚生労働省』
働き方改革推進支援助成金
働き方改革推進支援助成金は、中小企業や小規模事業者が生産性を向上させる一方で、労働時間の削減やより良い労働時間の設定に向けた取り組みを進めることを奨励し、支援するための制度です。企業が労働時間の管理や設定を見直し、従業員にとってより働きやすい環境を整備することを目的としています。
この取り組みを通じて、従業員のワークライフバランスの向上や労働生産性の向上を図ることができます。
補助対象者 | ■労働時間短縮・年休促進支援コース 次のいずれにも該当する中小企業事業主 ①労働者災害補償保険の適用事業主 ②交付申請時点で、「成果目標」1から3の設定に向けた条件を満たしていること。 ③全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて 就業規則等を整備していること。 ■適用猶予業種等対応コース 次のいずれにも該当する中小企業事業主 ①労働者災害補償保険の適用事業主②交付申請時点で、 「成果目標」1から4の設定に向けた条件を満たしていること。 ③全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて 就業規則等を整備していること。 ■勤務間インターバル導入コース ①労働者災害補償保険の適用事業主であること ② (1)勤務間インターバルを導入していない事業場 (2)既に休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルを導入している事業場であって、 対象となる労働者が当該事業場に所属する労働者の半数以下である事業場 (3)既に休息時間数が9時間未満の勤務間インターバルを導入している事業場 ③全ての対象事業場において、 交付申請時点及び支給申請時点で、36協定が締結・届出されていること ④全ての対象事業場において、原則として、過去2年間に月45時間を超える 時間外労働の実態があること ⑤全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて 就業規則等を整備していること ■労働時間適正管理推進コース ①労働者災害補償保険の適用事業主であること ②全ての対象事業場において、交付決定日より前の時点で、勤怠(労働時間)管理と 賃金計算等をリンクさせ、賃金台帳等を作成・管理・保存できるような統合管理ITシステムを 用いた労働時間管理方法を採用していないこと ③全ての対象事業場において、交付決定日より前の時点で、賃金台帳等の 労務管理書類について5年間保存することが就業規則等に規定されていないこと ④全ての対象事業場において、交付申請時点で、36協定が締結・届出されていること ⑤全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて 就業規則等を整備していること ■団体推進コース ①事業主団体(事業協同組合、事業協同小組合、信用協同組合など) ②共同事業主(事業主団体等が労働者災害補償保険の適用事業主であるなど) |
補助対象経費 | 労働能率の増進に資する設備・機器など |
補助要件 | 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新、など |
補助上限額 | ■労働時間短縮・年休促進支援コース ※時間外労働時間数等を月60時間以下に設定 ・現に有効な36協定において、 時間外労働時間数等を月80時間を超えて設定している事業場:200万円 ・現に有効な36協定において、 時間外労働時間数等を月60時間を超えて設定している事業場:150万円 ※時間外労働時間数等を月60時間を超え、月80時間以下に設定 ・現に有効な36協定において、 時間外労働時間数等を月80時間を超えて設定している事業場:100万円 ■適用猶予業種等対応コース ※時間外労働時間数等を月60時間以下に設定 ・現に有効な36協定において、 時間外労働時間数等を月80時間を超えて設定している事業場:250万円 ・現に有効な36協定において、 時間外労働時間数等を月60時間を超えて設定している事業場:200万円 ※時間外労働時間数等を月60時間を超え、月80時間以下に設定 ・現に有効な36協定において、時間外労働時間数等を 月80時間を超えて設定している事業場:150万円 ■勤務間インターバル導入コース ※9時間以上11時間未満 ・「新規導入」に該当する取組がある場合:80万円 ・「新規導入」に該当する取組がなく、「適用範囲の拡大」または 「時間延長」に該当する取組がある場合:40万円 ※11時間以上 ・「新規導入」に該当する取組がある場合:100万円 ・「新規導入」に該当する取組がなく、「適用範囲の拡大」または 「時間延長」に該当する取組がある場合:50万円 ■労働時間適正管理推進コース ※常時使用する労働者数が30人を超える中小事業主の場合 (3%以上引き上げ) ・1~3人:15万円 ・4~6人:30万円 ・7~10人:50万円 ・11人~30人:1人あたり5万円(上限150万円) ※常時使用する労働者数が30人を超える中小事業主の場合 (5%以上引き上げ) ・1~3人:24万円 ・4~6人:48万円 ・7~10人:80万円 ・11人~30人:1人あたり8万円(上限240万円) ※常時使用する労働者数が30人以下の中小事業主の場合 (3%以上引き上げ) ・1~3人:30万円 ・4~6人:60万円 ・7~10人:100万円 ・11人~30人:1人あたり10万円(上限300万円) ※常時使用する労働者数が30人以下の中小事業主の場合 (5%以上引き上げ) ・1~3人:48万円 ・4~6人:96万円 ・7~10人:160万円 ・11人~30人:1人あたり16万円(上限480万円) ■団体推進コース支給対象となる取組内容について、 事業主団体等が事業実施計画で定める時間外労働の削減又は 賃金引上げに向けた改善事業の取組を行い、構成事業主の2分の1以上に対して その取組又は取組結果を活用する上限額500万円 |
マシニングセンタの導入は、製造プロセスを自動化し、効率化することで、生産性を大幅に向上させることが可能です。
これにより、必要な労働時間を減らしつつも、同じかそれ以上の生産量を維持することができます。
さらに、労働時間の削減は従業員の満足度を高め、長期的な健康と生産性の向上につながります。
働き方改革推進支援助成金を活用することで、企業は生産性の向上と労働時間削減の両立を目指す取り組みに対して、経済的な支援を受けることができます。
これにより、企業はより効率的な生産体制を築くとともに、従業員にとってより良い労働環境を提供することが可能となります。
設備投資と働き方改革の取り組みを組み合わせることで、企業の持続的な成長と従業員の満足度向上を目指すことができるでしょう。
参考『労働時間等の設定の改善』
ものづくり補助金の活用事例
社株式会社萱沼鉄工所様
会社様ご紹介サイト:
https://tsu-kumiai.com/kaiin/%E6%A0%AA%E8%90%B1%E6%B2%BC%E9%89%84%E5%B7%A5%E6%89%80/
【ものづくり補助金活用の背景】
株式会社萱沼鉄工所は、半導体製造装置やオートバイ制御機構用のベアリングを中心に高い評価を得ている精密加工企業です。近年、大型ピロボールのニーズが増加する中、多品種少量生産や特殊形状のため高度な加工技術が求められていました。また、インフラ老朽化対応や地震・災害に強い基盤整備のため、建設用大型機械や舶用駆動系の新大型ピロボールロッドエンド加工需要も増加。従来はベテラン職人が工夫を凝らして加工していましたが、工程が多く段取り時間がかかるうえ、職人の技能差で精度にばらつきが生じるなどの課題がありました。
【ものづくり補助金の活用目的】
同社は、ものづくり補助金を活用した最新の5軸制御複合加工機の導入により、多品種少量生産に対応した高品質・高効率生産の実現を目指しました。少ない工程で複雑加工ができ、段取り時間短縮や精度安定、作業員の技能差解消などのメリットが期待できます。加えて、加工工程・条件、切削ツール、治具の見直しも実施し、最適化を図りました。
【ものづくり補助金活用の結果】
新加工機導入と加工見直しの結果、以下の成果が得られました。
・2種類の試作部品の加工工程が、7工程から2工程、5工程から2工程に大幅集約
・加工時間が43~56%削減
・寸法公差が50~93%改善
これにより、生産性をおよそ2倍に高めると同時に、高精度加工を可能にしました。ものづくり補助金の活用が、同社の強みである「他社にできないことへの挑戦」を後押しし、競争力強化と差別化に貢献したと言えます。
まとめ
本記事では、マシニングセンタの導入を検討している企業が活用できる補助金・助成金について、その概要と事業目的を解説しました。
今回取り上げた5つの補助金は、マシニングセンタの導入を通じて、企業の技術革新、生産効率の向上、働き方の改革など、幅広い分野での事業成長と発展を目指す企業にとって、貴重な支援手段となります。
各制度の詳細な条件や申請方法については、公式情報を確認し、計画的に準備を進めることが成功への鍵となります。
うまく支援を最大限に活用し、企業の持続可能な成長と発展を目指してください。
また、新規設備を導入した後、新たな顧客に対して積極的な営業活動をする事も大切です。その際、
既存の顧客対応で手いっぱいだったり、取引先や協力工場がすぐに見つからないといった
場合も考えられます。
営業製作所は、独自のマッチングサービスで貴社の売上・利益を最大化する会社です。
営業製作所を利用した営業活動の事例について興味のある方はこちらの記事もご覧ください。