製造業や建設業において、図面の保管方法は業務効率に直結する重要な課題だといえます。紙図面を保管する場合、図面ファイルや収納棚を活用する方法が一般的です。
一方、紙図面の保管にはスペースやセキュリティ面などに課題が多く、「紙図面の保管を効率化する方法を知りたい」「より手間なく図面を保管する方法を知りたい」といった担当者の方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、図面の効率的な保管方法について解説します。紙図面を保管する際のよくある課題や、図面管理システムを導入するメリットについても紹介するので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
index
図面の保管に関するルール
図面は、製品の設計内容や施工内容を証明する重要な記録資料であり、業種によって法令で保管義務が定められています。とくに製造業・建設業では、関連法令に基づいた長期間の保管が必要です。
製造業では引き渡しから10年間の図面保管が必要

製造業では、製品の引き渡し後も長期間にわたり図面を保管する必要があります。これは製造物責任法(PL法)に基づく考え方によるものです。PL法では、製品の欠陥によって消費者に損害が生じた場合、製造業者が責任を負う可能性があり、その請求権の消滅時効は「損害および加害者を知った時から3年」「製品引き渡しから10年」と定められています。
そのため、設計図面や仕様書は、最低でも引き渡しから10年間保管しておくことが実務上の必須対応となります。万が一の訴訟やリコール対応時に、設計根拠を示す重要な証拠資料となるため、確実な保管体制が必要です。
建設業では各事業年度末から15年間の図面保管が必要

建設業における図面保管は、建築士法施行規則第21条により定められています。この規定では、建築士が作成した設計図書について、「当該事業年度の末日から15年間保存すること」が義務付けられています。
対象となる図面には、確認申請図、実施設計図、構造図、設備図などが含まれ、建築物の安全性や適法性を証明する重要な資料に位置付けられています。建物は長期間使用されるため、施工後に不具合や改修が発生した場合でも、当時の設計内容を正確に確認できるよう、長期保管が必要です。
図面の保管方法は大きく2つ
図面の保管方法は、大きく分けて「紙図面として保管する方法」と「電子化して保管する方法」の2つがあります。それぞれの保管方法にはメリット・デメリットがあるため、自社の業務規模や図面点数、保管義務年数を踏まえて選択することが重要です。
図面管理の方法については以下の記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
紙図面の保管方法

紙図面の保管では、図面を原本としてファイルや図面袋に収納し、キャビネットや専用棚で管理する方法が一般的です。プロジェクト単位・顧客単位・年度別など、一定のルールで分類して保管することで、必要な図面を取り出しやすくなります。
また、原図の改ざん防止や紛失防止の観点から、施錠可能な保管庫を使用するケースも多く見られます。一方で、図面点数が増えるほど保管スペースが圧迫され、検索や持ち出し管理に手間がかかる点が課題です。
電子化図面の保管方法
電子化図面の保管方法には、大きく分けて「手作業でデータ化して保管する方法」と「専用の図面管理システムを利用する方法」の2種類があります。
図面を手作業でデータ化・保管する方法

図面を手作業でデータ化・保管する場合、複合機やスキャナーで紙図面をPDF化し、社内サーバーやクラウドストレージに保存する方法が一般的です。フォルダ構成を「年度/顧客名/案件名」などで整理し、ファイル名に図番や版数を含めることで、最低限の検索性を確保できます。初期コストを抑えられる点がメリットですが、登録や更新が属人化しやすく、図面点数が増えると管理が煩雑になりやすい点が課題です。
紙の図面をPDF化する方法やExcelで図面を管理する方法については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
▶︎図面をPDF化する方法は?変換/編集ツール4選やスキャンの流れも紹介
▶︎Excelで図面管理はできる?作成例やメリット/デメリット、効率化などを解説
専用の図面管理システムを使う方法

専用の図面管理システムを利用すれば、図面の登録・分類・検索・版管理までを一元的に行えます。多くのシステムでは、図番や品名を自動で読み取るOCR機能や、類似図面検索機能が搭載されており、手作業による管理負担を大幅に削減できます。また、アクセス権限管理や操作ログの記録など、セキュリティ面でも優れている点が特徴です。長期保管が必要な図面を安全かつ効率的に管理したい企業に適した方法といえるでしょう。
おすすめの図面管理システムについては以下の記事で詳しく解説しています。導入を検討する際はチェックしてみてください。
▶︎図面管理システムおすすめ18選!機能や料金プラン、導入メリットなども解説
▶︎おすすめのAI類似図面検索システム13選!機能や月額、導入事例などを解説
紙図面を効率的に管理するコツ
紙図面を効率的に管理するコツを4つ紹介します。
図面を種類・プロジェクト・顧客ごとに分類する

紙図面管理の基本は分類です。図面を「製品別」「プロジェクト別」「顧客別」「年度別」など、業務内容に合った軸で整理することで、必要な図面を素早く探し出せるようになります。分類ルールを曖昧にすると、「誰がどこに保管したかわからない」「同じ図面が複数の場所に存在する」といった問題が発生しやすくなります。分類方法は社内で統一し、管理ルールとして明文化しておくことが重要です。
図面用ファイルに入れて収納棚などに保管する

紙図面は、図面専用のファイルや図面袋に収納し、専用棚やキャビネット、スチールラックなどで保管するのが一般的です。丸めて保管するよりも、平置きや二つ折り管理のほうが劣化を防ぎやすくなります。また、ラベルを付けて内容が一目で分かるようにしておくと、検索性が向上します。頻繁に参照する図面と、長期保管用の図面を分けて保管するのも効率的な運用方法です。
図面を保管するファイルを選ぶ際は、まず対応サイズをチェックしましょう。A0・A1・A2・A3・A4など、図面のサイズごとに便利に使えるファイルは異なります。保管だけでなく閲覧しやすさも重視するなら、見開きタイプのファイルも便利です。たとえば、コクヨの図面ケース・ファイルシリーズや、キングジムの図面ファイルシリーズはサイズの選択肢も多いため選びやすいでしょう。
劣化を防ぐための環境を整える

紙図面は湿気・直射日光・温度変化に弱く、長期間の保管によって劣化しやすいという特徴があります。保管場所は湿度が低く、直射日光が当たらない環境を選ぶことが重要です。また、青焼き図面やトレーシングペーパーはとくに劣化しやすいため、防湿対策や中性紙ファイルの使用などの工夫が求められます。劣化が進む前にデータ化しておくことも有効な対策です。
図面の目録を作成して管理する

紙図面管理では、図面そのものだけでなく「どの図面がどこにあるか」を把握する目録(台帳)の作成が欠かせません。Excelなどで図番、図面名、保管場所、版数、更新日を一覧化しておくことで、実物を探す手間を大幅に削減できます。目録が整備されていないと、図面が存在していても活用されず、結果として業務効率が低下してしまうため要注意です。
紙図面の保管でよくある課題
紙図面の保管でよくある課題を4つ紹介します。
広い保管場所の確保が必要

紙図面は物理的なスペースを必要とするため、長期間の保管によってキャビネットや倉庫が圧迫されがちです。とくに法定保存期間が10年・15年と長い業界では、年々保管量が増加し、オフィススペースの有効活用を妨げる要因になります。保管場所の確保そのものがコストとなり、企業経営の負担になるケースも少なくありません。
紛失や劣化のリスクがある

紙図面は、人の手で持ち出されることが多く、紛失リスクが常につきまといます。また、経年劣化によって文字や線が読めなくなると、設計根拠の確認が困難になる点にも注意が必要です。とくに法定保存が必要な図面を紛失した場合、監査やトラブル発生時に大きな問題となる可能性があります。
検索性が低く業務効率が低下しやすい

紙図面は内容検索ができないため、目的の図面を探すのに時間がかかります。担当者の記憶に頼った管理になりやすく、担当者が不在の場合に業務が滞ることも少なくありません。検索に時間がかかるほど、設計・見積・製造といった後工程にも悪影響を及ぼします。
持ち出しなどのセキュリティリスクがある

紙図面はコピーや持ち出しが容易で、情報漏えいリスクが高い点も課題です。重要な設計情報が社外に流出した場合、競争力の低下や取引先との信頼関係の悪化につながります。誰がいつ図面を持ち出したかを把握しにくい点も、紙管理ならではの弱点です。
図面の保管には図面管理システムがおすすめ
こうした紙図面管理の課題を解決する手段として、近年注目されているのが図面管理システムです。図面を電子化し、一元管理することで、保管・検索・セキュリティの問題をまとめて解消できます。長期保存が必要な図面を安全に管理したい企業にとって、有力な選択肢といえるでしょう。
図面管理システムを導入するメリット
図面管理システムを導入する主なメリットを3つ紹介します。なお、図面管理システムとはどんなものなのかについては以下の記事でも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
▶︎図面管理システムとは?機能や導入の利点、比較ポイントについて
図面の保管スペースを削減できる

図面を電子化して管理すれば、キャビネットや倉庫を占有していた紙図面が不要になり、オフィススペースを有効活用できます。とくに長期保存が必要な図面が多い企業ほど、スペース削減による効果は大きく、保管コストの削減にもつながるでしょう。
図面の検索性が向上する

図面管理システムでは、図番や品名、案件名などの属性情報で検索できるだけでなく、OCRによる全文検索や類似図面検索が可能な製品もあります。これにより、目的の図面を数秒で見つけ出せるようになり、設計や見積業務のスピードが大幅に向上します。
セキュリティ性を高められる

アクセス権限管理や操作ログの記録により、「誰が・いつ・どの図面にアクセスしたか」を把握できます。紙図面では難しかった持ち出し管理や情報漏えい対策を強化でき、機密性の高い図面も安心して保管・運用が可能です。
図面の効率的な保管・活用ならDX Engineがおすすめ

| サービス名 | DX Engine |
| 主な機能 | AI図面解析
AIスマート整理 関連データ・書類の自動紐付 超類似検索 超書類検索 図面差分表示機能 AI検図機能 ワンクリック出力 |
| 導入形態 | クラウド型 |
| 料金プラン | 月3万円〜 |
| 運営会社 | 営業製作所株式会社 |
図面の保管・管理方法に課題を感じている場合にはDX Engineがおすすめです。DX Engineとは、OCR技術による書類・図面の高精度なスキャン・データ化と、独自AIによる整理・検索機能を統合した、業務効率化ソリューションです。大量の紙図面もデータ化し、効率的に管理できます。
「メールやFAXで届いた書類の整理が大変」
「図面や見積書を探すのに時間がかかる」
「紙やExcelへの転記作業が負担になっている」
DX Engineなら、これらの課題をすべて解決できます。
搭載されたAIは、図番・品名・材質などの情報はもちろん、手書き文字まで正確にデータ化。受信メールに添付された書類も自動で取り込み、分類・命名・保存までを一括で処理します。そのため、紙図面の管理やExcelでの管理と比べると手作業の負担を大幅に削減し、効率的な書類管理を実現します。
また、取り込んだデータは属性情報や全文検索、形状や仕様による類似検索など、多彩な検索機能で瞬時に呼び出し可能。見積書や作業指示書、検査記録などの関連情報もまとめて一元管理でき、どこからでもアクセスできます。紙図面とは違い、必要な図面を簡単に見つけて活用できる点は大きなメリットです。
セキュリティ面でも、ISO/IEC 27001(情報セキュリティ国際規格)に準拠したAWS基盤上でシステムを構築しており、安心してご利用いただけます。
導入効果として、書類整理にかかる時間を年間1500時間削減、書類整理にかかるコストを年間約300万円削減を実現した事例もございます。(当社調べ)
現在、DX Engineは無料トライアルを実施中です。この機会にぜひDX Engine導入によるメリットを体感してみてください。
DX Engineに関する詳しい情報・お問い合わせはこちら
図面管理システムの導入事例
図面管理システムの導入事例としてDX Engineを導入した企業の事例を紹介します。
株式会社鈴木鉄工所様

紙図面はPDF化して1つのフォルダに溜めていたものの整理されておらず、目的の図面を1枚探すのに30分かかることもありました。受注済み図面だけ管理し、受注前図面は山積みで、見積漏れに気づくのも問い合わせ後という非効率な状態でした。
事務工数を増やさず自動で情報入力できる「DX Engine」を導入したことで、案件単位で図面が整理され、見積の正確さとスピードが向上し、機会損失の防止につながっています。現在は瞬時に図面検索ができ、作業効率が大幅に改善しました。
この導入事例の詳細については、以下の記事をチェックしてみてください。
株式会社タキオンワタナベ様

受注案件の図面は紙とデータで管理していたものの、見積図面は数が多く保管しておらず、ファイル名を図番で保存していたため品名から検索できず、過去の図面参照や見積金額の確認に時間がかかる課題がありました。
こうした状況を改善するため、手間なく導入できる点に魅力を感じ「DX Engine」を採用。メール転送やスキャンPDFの一括アップロードだけで自動整理されるため、従来の業務フローを保ったまま運用できています。多軸検索により図面を探す工数も大幅に削減され、見積回答の状況確認もスムーズになりました。図面管理だけでなく案件管理まで一括で行えるようになり、業務効率化を強く実感されています。
この導入事例の詳細については、以下の記事をチェックしてみてください。
株式会社立成化学工業所様
URL:https://youtu.be/5GFpU_FErH4
営業担当が1人のみで見積業務が完全に属人化しており、担当者不在時は問い合わせに対応できず機会損失が発生していました。そこで DX Engineを導入。AIによるメール・添付図面の自動読み込み・振り分け・整理で、フォルダ作成や名前付けといった手作業を不要にしました。
結果として、見積回答漏れが解消し、誰でも案件を把握できる仕組みが整ったことで受注率の向上につながりました。またPDF化・共有のペーパーレス化により、コピー用紙の使用頻度も大幅に削減されています。今後はさらに情報共有を進め、「誰でもすぐに回答できる組織づくり」を目指す方針です。
株式会社ウェルディング中野様
URL:https://youtu.be/uGMlmF5wiOc
見積業務が特定担当者に依存しており、担当者不在時の業務停止や、過去案件検索に多くの時間を費やしていました。DX Engineの導入により、メール転送だけで自動的に案件名付与・フォルダ整理が行われ、手作業による管理から解放されました。
その結果、従業員の労働時間が月約 10 時間削減され、見積回答スピードは従来の 4 日から 2 日以内、場合によっては当日回答まで短縮されました。さらに、超類似検索機能で過去見積データを瞬時に検索できるようになり、効率が大幅に向上。担当外のメンバーでも案件を引き継げるようになり、業務のボトルネック解消にも寄与しています。今後は人手不足対策としても AI活用を進めたい意向です。
図面の保管方法に関するよくある質問
図面の保管方法に関するよくある質問とその回答を紹介します。
図面保管のためにデータ化する方法は?

図面をデータ化する方法としては、複合機やスキャナーでPDF化する方法、専門業者にスキャンを依頼する方法があります。図面点数が少ない場合は内製でも対応できますが、大量の図面や大判図面がある場合は外注のほうが効率的です。
図面の電子化・スキャンに使えるサービスについては以下の記事で紹介しています。外注を検討している場合は、ぜひ参考にしてみてください。
▶︎図面を電子化する方法は?おすすめツールや導入方法などを解説
▶︎図面スキャン業者おすすめ15選!データ化精度や大判/青焼き対応なども紹介
紙図面を管理するのに便利なファイルは?

紙図面の管理には、図面専用ファイル、蛇腹式ファイル、図面袋、クリアホルダーなどがよく使われます。A1・A0対応の大型ファイルや、背表紙にラベルを貼れるタイプを選ぶと管理しやすくなるでしょう。コクヨやキングジムの図面ファイルシリーズはサイズ展開も豊富なので、迷ったらチェックしてみるとよいでしょう。
紙図面を保管するのに適した棚の特徴は?

図面保管棚は、耐荷重が高く、サイズ調整が可能なものが適しています。また、湿気対策ができる環境に設置し、必要に応じて施錠できるタイプを選ぶことで、劣化防止とセキュリティ向上の両立が可能です。
図面をデータ化したあとも紙図面の保管は必要?

法令や契約で原本保管が求められている場合は、データ化後も紙図面の保管が必要です。一方、社内利用目的であれば、データ化後に紙を廃棄しても問題ないでしょう。業種ごとのルールを確認したうえで判断しましょう。
保管義務のある図面を紛失したときの罰則はある?

直接的な罰則が定められていない場合でも、訴訟や監査時に不利になる可能性があります。とくに建設業では行政指導の対象となるケースもあるため、紛失防止策は必須です。
図面と一緒に保管すべき資料は?

図面とあわせて、仕様書・検査記録・変更履歴・承認書類・契約書なども保管しておくと、後から経緯を確認しやすくなります。これらを一元管理できる仕組みを整えることが理想です。