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2025年最新版|購買行動モデル9選を徹底解説

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「気づけば、つい買ってしまった…」こんな経験はありませんか?
現代ではインターネットの普及により、私たちが商品やサービスを見つけ、比較し、最終的に購入に至るまでのステップが、昔に比べて複雑になりました。テレビCMや新聞広告で商品を知るだけでなく、スマートフォンで調べたり、口コミサイトで評判を確かめたりと、色々な経路で情報収集をするのが当たり前になっているからです。
こうした「お客さまがどのように商品を知り、興味を持ち、購入を決めるのか」という流れを整理して、わかりやすくまとめたのが「購買行動モデル」です。
本記事では、2025年の最新事情にも対応できる代表的な購買行動モデルを9種類ご紹介します。それぞれのモデルが「どんな考え方なのか」「どう活用すれば売り上げにつながるのか」を解説し、さらにできるだけカタカナ用語をかみ砕いてお伝えします。

 

index

    AIDMA(アイドマ)

    AIDMA

    まず1つ目は「AIDMA(アイドマ)」です。AIDMAとは1920年代にアメリカの広告研究家が提唱した、非常に歴史あるモデルです。以下の5つのステップが順番に進んでいくと考えられています。

    1. Attention(注意):お客さまが商品やサービスの存在に「気づく」
    2. Interest(興味):その商品に「興味」を持つ
    3. Desire(欲求):もっと知りたい、欲しいと「欲求」が高まる
    4. Memory(記憶):商品情報が「記憶」に残る
    5. Action(行動):実際に購入する

    AIDMA(アイドマ)例

    テレビCMや新聞広告で商品を初めて知る(Attention)。
    ・「なんだか良さそうだな」と感じ、特徴を調べたり、周囲に聞いたりする(Interest/Desire)。
    ・その後、頭に残っていた商品名を思い出す(Memory)。
    ・お店に行ったり、ネット通販で探したりして購入する(Action)。

    活用方法

    展示会や訪問営業
    展示会での派手なブース作りや、商談時の興味を引くプレゼン資料により、お客さまの「Attention」と「Interest」を引き出す。
    フォローアップの工夫
    名刺交換後、しっかりと後日連絡を行って「記憶」に定着させ、購買行動(Action)につなげる。
    AIDMAは「昔ながらの広告モデル」と言われますが、基本的な流れを理解するのに最適で、多くの営業シーンで役立ちます。

    AISAS(アイサス)

    次にご紹介するのが「AISAS(アイサス)」です。電通が2004年に「インターネットが普及した時代では、消費者の行動はこう変わるのではないか」と提唱したモデルです(参照:“Dual AISAS”で考える、もっと売るための戦略。|電通)。AIDMAに比べて、新たに「Search(検索)」と「Share(共有)」のステップが加わっています。

    1. Attention(注意)
    2. Interest(興味)
    3. Search(検索)
    4. Action(行動)
    5. Share(共有)

    AISAS(アイサス)例

    ・テレビやSNSの広告で商品を見て、「おっ、なんだろう?」と気になる(Attention/Interest)。
    ・「もう少し詳しく知りたい」と思い、スマホで商品名を検索する(Search)。
    ・ネット通販や店頭で購入する(Action)。
    ・買ってみた感想をSNSや友人に伝えて共有する(Share)。

    活用方法

    検索(Search)への対策
    商品名やサービス名を検索したとき、公式サイトや口コミがしっかり出るように、「SEO(検索エンジンの上位対策)」や商品レビューを整備しておく。
    共有(Share)の誘導
    購入後に「レビューを書いてくれたらクーポンを差し上げます」などのキャンペーンを行い、口コミを増やす。
    AISASは「ネットで検索する」という現代の当たり前の行動に着目しており、特にインターネットで商品情報を探す方が多い業界(家電・IT商品など)で威力を発揮します。

    AISCEAS(アイセアス)

    「AISAS」と似た名前ですが、より細かくステップを分けたのが「AISCEAS(アイセアス)」です。これは「Compare(比較)」と「Examination(検討)」が加わっているのが特徴で、以下の流れになっています。

    1. Attention(注意)
    2. Interest(興味)
    3. Search(検索)
    4. Compare(比較)
    5. Examination(検討)
    6. Action(行動)
    7. Share(共有)

    たとえば自動車や高額な製造機械など、値段が高いものを買うときには、スペックや価格、ブランド力をじっくりと他社製品と「比較」して、「検討」する方が多いですよね。そういう「慎重さ」を表したモデルと言えます。

    活用方法

    比較と検討の材料を提供
    商品のスペック比較表をわかりやすくウェブサイトに載せる。導入事例を詳しく紹介し、お客さまが検討しやすい情報を揃える。
    複数関係者での意思決定に対応
    製造業などでは担当者だけでなく、上司や他部署の承認が必要なケースがあります。各立場の不安や疑問を解消できるように、Q&A集や成功事例を充実させると良いでしょう。

    DECAX(デキャックス)

    「DECAX(デキャックス)」も、2015年に電通が提唱したコンテンツマーケティング時代の購買行動モデルです。
    順番は以下の通りです。

    1. D(Discovery:発見)
    2. E(Engagement:共感・興味)
    3. C(Consideration:検討)
    4. A(Action:行動)
    5. X(eXperience:体験・共有)

    このモデルの特徴は「体験(Experience)」を最後に置き、その体験がさらに周りの人に共有される点です。使った人のリアルな感想や写真、口コミが新しい「発見」や「共感」を生む、という循環を意識しています。

    活用方法

    共感づくりが大切
    たとえば広告などでは、ただ商品の機能を紹介するだけでなく、「この商品があると、お客さまの暮らしや仕事がどう変わるのか」を具体的なイメージで伝える。
    体験の共有を促す
    商品を導入して成功した事例を「お客さまの声」として紹介し、自社のSNSやウェブサイトで公開する。購入者も体験を共有しやすくなり、新たな顧客の「発見」や「共感」を呼び込みます。
    実際、弊社でも顧客からの口コミを事例コンテンツとして発信しています。
    多くの製造業経営者からお喜びいただいているので、ぜひチェックしてみてください。

    SIPS(シップス)

    SIPS

    画像出典:(極私的)広告セレンディピティ(3)|AdverTimes

    「SIPS(シップス)」は、博報堂が提唱した「ソーシャル時代の購買行動モデル」です。ソーシャル時代とは、SNS(インターネット上の交流サービス)が普及した時代を指します。次のようなステップで表現されています。

    1. S(Sympathize):共感する
    2. I(Identify):自分事として確認する
    3. P(Participate):参加する
    4. S(Share & Spread):共有・拡散する

    「共感から始まり、最終的に共有・拡散していく」という流れがポイントで、SNSやクチコミが特に重要なビジネスに向いています。

    具体例:

    ・ある製品に関する記事や投稿に「これ、私が探していたものだ!」と強く共感する(Sympathize)。
    ・「自分の課題解決にぴったりだ」と考えて購入や利用を決める(Identify~Participate)。
    ・使ってみて気に入ったのでSNSで写真を載せ、友人知人にも勧める(Share & Spread)。

    ZMOT(ゼロ・モーメント・オブ・トゥルース)

    「ZMOT(ゼロ・モーメント・オブ・トゥルース)」は、2011年にアメリカのGoogle社が提唱した考え方です。
    昔は「店頭で商品を初めて見た瞬間」が勝負(ファースト・モーメント・オブ・トゥルース)といわれていましたが、現代では「店に行く前にネットで口コミや評判を検索する瞬間(ゼロ番目の瞬間)」が実は勝負どころなのだ、と提唱しています。

    活用方法

    クチコミサイトや検索結果の管理
    「○○(商品名)口コミ」「○○(ブランド)評判」などで調べたとき、正しい情報が出るように公式ホームページの整備や、よいレビューを書いてもらう取り組みが重要です。
    早い段階での認知獲得
    お客さまが「そろそろあの商品を買い替えようかな」と思った瞬間から検索を始めます。そのため、普段からSNSやホームページで情報を発信しておき、ゼロ番目の瞬間を逃さないようにしましょう。

    5A(ファイブ・エー)

    こちらは世界的に有名なマーケティングの専門家、フィリップ・コトラー氏などが提唱したモデルです。お客さまの行動を5つの「A」でまとめています。

    1. Aware(認知):まずは商品を知る
    2. Appeal(興味・魅力を感じる)
    3. Ask(調べる・聞く):自分で情報を集めたり、人に質問したりする
    4. Act(行動):購入・契約など
    5. Advocate(推奨):周囲にすすめたり、応援したりする

    活用方法

    Ask(調べる・聞く)のフォロー
    ウェブサイトのFAQ(よくある質問)や問い合わせ対応を整備しておき、お客さまが不明点をすぐに解消できるようにする。
    Advocate(推奨)を促す
    満足しているお客さまには「口コミ投稿」や「インタビュー協力」を依頼し、ウェブサイトや資料に掲載して信頼度を高める。

     RACEモデル

    「RACEモデル」はイギリスのデジタルマーケティングの専門家、デイブ・チャッフィー氏が考案したフレームワークです。インターネット上の広告やホームページ、SNSといったデジタル手段で「どのようにお客さまを集め、購入に導き、ファンになってもらうか」を整理するものと言えます。

    • R(Reach):認知度を高める(広告や検索エンジンでお客さまにリーチする)
    • A(Act):サイトを見てもらう、資料請求してもらうなどの「行動」を取ってもらう
    • C(Convert):実際の購入や契約(コンバージョン)
    • E(Engage):リピート購入や長期的なファン化、口コミ発信

    活用方法

    ホームページやネット広告の最適化
    「R→A→C→E」のそれぞれで数値を測り、「広告は十分に見られているか」「資料請求の数は多いか」「購入率は高いか」などをチェックし、弱い部分を補強する。
    既存客のファン化
    購入後も定期的に役立つ情報を提供したり、サポートを充実させたりして、「Engage(ファンになってもらう)」を狙う。

     ULSSAS(ウルサス)

    最後は「ULSSAS(ウルサス)」というモデルです。AIDMAやAISASの流れをベースにしつつ、「Like(好きという感情)」を明確に取り入れていることが大きな特徴です。

    1. U(Uncover):商品を発見する
    2. L(Like):好意を抱く・好きになる
    3. S(Search):調べる
    4. S(Study):より深く研究・検討する
    5. A(Action):行動(購入など)
    6. S(Spread):拡散・シェアする

    例:

    ・ある製品をSNSの投稿で見かける(Uncover)。
    ・「あ、これいいな」と思い、好きになる(Like)。
    ・詳しく検索して(Search)、製品比較やレビューを読んで理解を深める(Study)。
    ・納得したので購入(Action)。
    ・気に入ったので友人やSNSでおすすめする(Spread)。

    活用方法

    ・「好き」になってもらう仕掛け
    商品のデザインや使いやすさ、ブランドのストーリーなどを打ち出し、「なんだか応援したくなる」と思わせるような魅力づくりが重要。
    拡散につながるキャンペーン
    例えば「購入後に写真を投稿するとポイントが貯まる」といった形で、Spreadを促しやすい仕掛けを設計する。

    購買行動モデルを活用するメリット

    ここまでご紹介した10種類の購買行動モデルは、それぞれ時代背景や商品特性に合わせて生まれてきました。
    主なメリットは3つあります。
    1.お客さまの行動や心理を「見える化」できる
    どんなプロセスで「興味」を持ち、何をきっかけに「購入」へ踏み切るのかを把握すれば、営業や宣伝の効率が高まります。
    2.改善点を探しやすい
    「この段階で多くのお客さまが離脱している。どうしてだろう?」と考え、対策を打ちやすくなります。例えばネットでの検索対策や、商品の比較検討をしやすい資料作りなど。
    3.部門間の連携がスムーズ
    営業やマーケティング、製品開発、顧客サポートなど、いろいろな部署で共通認識ができ、「今お客さまはこの段階にいるから、こういうアクションを取ろう」と協力しやすくなります。

    まとめ

    いかがでしたでしょうか。
    2025年最新版としてご紹介した9種類の購買行動モデルは、それぞれに特徴があり、どれが一番いい・悪いというものではありません。
    「自社のお客さまや商品・サービスに当てはめてみると、どれがわかりやすいか」を判断するのがおすすめです。場合によっては、複数のモデルを組み合わせて使う企業もあります。

    • AIDMA(アイドマ):昔ながらのシンプルな基本形
    • AISAS(アイサス):検索と共有の時代に合わせた進化形
    • AISCEAS(アイセアス):比較・検討を重視するモデル
    • DECAX(デキャックス):共感と体験の共有に注目
    • SIPS(シップス):SNS時代の共感と拡散
    • ZMOT(ゼロ・モーメント):店頭より前の検索タイミングが勝負
    • 5A(ファイブ・エー):調べる(Ask)と推奨(Advocate)がカギ
    • RACEモデル:デジタル広告やネット集客に焦点
    • ULSSAS(ウルサス):「Like(好意)」を明示し、拡散を想定

    「いまどきの消費者がどんな行動を取るのか?」を知ることで、自社の戦略をより効果的に作ることができます。「うちは昔ながらの方法でやってきたから大丈夫」と思われる方もいるかもしれませんが、少し目線を変えてみるだけで、新たな売り上げアップの糸口が見つかる可能性があります。
    今後も、最新のマーケティング動向や営業ノウハウに関する記事を発信していきますので、ぜひ引き続きチェックしてみてください。

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