製造業に役立つコンテンツ特集 GoogleのOCR機能とは?Drive/Document/生成AIを活用した各機能の使い方を解説

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GoogleのさまざまなサービスにはOCR機能が備わっています。無料で使えるものも多く、手軽に画像やPDFなどの文字をデータ化することが可能です。

とはいえ、GoogleのOCR機能にはいくつか種類があるため、「GoogleのOCR機能にはどんなものがあるのか知りたい」「GoogleのOCR機能の使い方が知りたい」といった方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、GoogleのOCR機能の種類やそれぞれのメリット、使い方について解説します。AIを活用した精度の高いものや、すぐに利用できるものも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

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そもそもOCRとは?

OCR(Optical Character Recognition/光学文字認識)とは、紙の書類や画像データに含まれる文字を読み取り、デジタルのテキストデータに変換する技術です。スキャンした資料や写真に写った文章をコンピュータが認識し、コピー&ペースト可能な形式に変換できるため、業務効率化やペーパーレス化を支える重要な仕組みとして広く活用されています。

従来のOCRは、印刷された活字の認識を主な用途としていましたが、近年はAI技術と組み合わさることで精度が飛躍的に向上しました。これにより、手書き文字やかすれた文字、複雑なレイアウトの文書に対しても高精度で文字認識を行えるようになっています。

GoogleのOCR機能とは?

Googleはクラウドサービスを中心に、多彩なOCR機能を提供しています。ここでは、Googleの主な3種類のOCR機能について、特徴やメリットなどを解説します。

GoogleのOCRの種類

GoogleのOCR機能は、主に以下の3種類です。

OCR機能特徴
GoogleドライブOCR画像やPDFをアップロードするだけで自動でテキスト化。Googleドキュメントで編集・共有可能。追加費用なし
Google Cloud Document AIOCRに加えてレイアウト解析や項目抽出。システム連携も可能
Google Gemini OCROCRに加えて文脈理解や要約、翻訳、スケジュール反映など生成AIと組み合わせた活用が可能

1つ目は、Googleドライブに標準搭載されたOCR機能です。画像やPDFをアップロードすると自動的に文字を認識し、Googleドキュメントとして編集可能なテキストに変換できます。個人利用から業務用途まで幅広く使える基本機能です。

2つ目のDocument AIは、Google Cloudが提供する業務文書向けのOCRプラットフォームです。契約書・請求書・図面などの業務文書のデジタル化に適しています。OCRに加えてレイアウト解析や項目抽出もでき、システム連携も可能です。

3つ目は、Google Geminiに統合されたOCR機能です。生成AIの一部としてOCRが組み込まれており、単なる文字認識にとどまらず、文脈理解や要約、翻訳などと組み合わせた高度な活用ができます

いずれのサービスもGoogleが持つ検索技術やAI技術により、精度の高い文字認識と柔軟な活用を実現しています。とくにクラウド環境で利用できるため、導入コストを抑えつつ規模に応じた活用ができる点が強みです。

GoogleドライブのOCR機能のメリット

GoogleドライブのOCR機能は、追加費用なしで利用できるのが大きな魅力です。スキャンしたPDFや画像をドライブにアップロードし、Googleドキュメントとして開くだけで、自動的にテキストへ変換されます。

また、変換されたテキストはGoogleドキュメント上で編集や検索が可能で、ほかのユーザーとリアルタイムに共有できるため、チームでの作業効率も高まります。特別なソフトをインストールする必要がなく、クラウド環境さえあれば誰でも簡単に使える利便性が特徴です。

Google CloudのOCR機能のメリット

Google CloudのDocument AIは、単に文字を抽出するだけでなく、契約書や請求書、図面などの複雑なレイアウトを解析し、必要な項目を自動的にデータ化できます。大量の帳票処理やシステム連携に強みがあり、OCR精度と業務効率化を同時に実現できる点が大きな特徴です。

Google GeminiのOCR機能のメリット

Google Geminiに統合されたOCR機能は、生成AIの文脈理解力と組み合わせた高度な利用が可能です。たとえば、スキャンした契約書の重要な条項を抽出して要約したり、手書きのメモを読み取ってスケジュールに自動反映させたりといった応用が考えられます。

また、多言語認識や翻訳との組み合わせにも強く、グローバル企業での文書処理に役立ちます。単なるOCRではなく「読み取った内容をどう活かすか」までを一貫してサポートできる点が最大の特徴です。

GoogleのOCRの使い方

Googleの3種類のOCR機能の使い方をそれぞれ紹介します。

GoogleドライブのOCR機能の使い方

まず、GoogleドライブのOCR機能の使い方を解説します。Googleアカウントにログインして、Googleドライブを開きましょう。

GoogleドライブはChromeのアプリ一覧から「ドライブ」を選べば開くことができます。

Googleドライブを開いたら、OCR機能を使いたいファイルをアップロードしましょう。今回はPDF化した請求書のサンプルを利用します。

アップロードしたファイルで「その他の操作」 → 「アプリで開く」 → 「Googleドキュメント」の順に選択してください。

Googleドキュメント上に、PDF記載の文字がテキスト化された状態で出力されます。これで、Googleドライブを使ったPDFのテキスト化は完了です。表などの体裁は崩れますが、請求書に記載されていた文字は正しくテキスト化できました。

Google CloudのOCR機能の使い方

次に、Google CloudのOCR機能であるGoogle Cloud Document AIの使い方を解説します。Document AIの公式サイトにアクセスしましょう。

画面左側にある「デモ」を選択してください。

上記の画面が開くので、テキスト化したいファイルをアップロードしましょう。

右上の「OCR」を選択すると、PDFの内容がテキスト化されて表示されます。これでGoogle Cloud Document AIによるPDFのテキスト化は完了です。PDFに記載された文字を漏れなくテキスト化できましたが、「請」「求書」が分かれて抽出されるなど、やや調整が必要でした。

Google GeminiのOCR機能の使い方

最後に、Google GeminiのOCR機能の使い方を解説します。Google Geminiの公式サイトにアクセスしましょう。

ここで左上のGeminiのモデルが「2.5 Flash」になっている場合は、モデルを「2.5 Pro」に変更してください。続いて、Geminiでテキスト化したいファイルをアップロードします。ドラッグ&ドロップでOKです。

上記のように、ファイルがアップロードされた状態になります。その下に「添付のPDFからテキストをすべて抽出して」などと書き込み、「送信」のアイコンを選択してください。

これでGeminiのOCR機能によるテキスト化は完了です。「下記のとおにご請求いたします。」などやや抜けはあるものの、すべての文字をテキスト化できました。

GoogleのOCR機能を利用する際の注意点

GoogleのOCR機能を利用する際の主な注意点を3つ紹介します。

認識精度は完璧ではない

GoogleのOCRは精度の高さが魅力ではあるものの、あらゆる文字を正確に読み取れるわけではありません。とくに手書き文字や判別しにくいフォント、低解像度の画像などでは誤認識が発生しやすい傾向にあります。

たとえば「0」と「O」、「1」と「l」などの区別がつきにくいケースでは、OCRが誤変換してしまう可能性が残ります。業務で活用する際は、自動変換後に必ず目視で確認し、重要な数値や契約内容などはダブルチェックする体制を整えておくことが大切です。

手書き文字を認識できるAI OCRについては、以下の記事で詳しく解説しています。手書きの書類をデータ化したい場合は、ぜひあわせて参考にしてみてください。

▶︎手書き文字を認識できるOCRとは?おすすめ16選や導入時の注意点などを解説

セキュリティリスクへの対策が必要

GoogleのOCR機能はクラウドを経由して処理されるため、情報セキュリティの観点からは注意が必要です。とくに契約書や顧客情報などの機密文書を扱う場合、外部サービスにアップロードするリスクを十分に理解しておきましょう。

利用する際には、社内規定に従って「どの書類までクラウドに預けてよいか」を明確にし、必要に応じて暗号化やアクセス権限の制御を導入することが大切です。また、Google Workspaceのように法人向けの契約プランを利用すれば、セキュリティ認証やログ管理などが強化されるため、安全性を高められます。

書類をデジタル化したあとの管理機能は不十分

GoogleのOCRは文字をデータ化する点では優れていますが、変換したあとの文書を本格的に管理する機能は不十分です。たとえば、図面や大量の契約書を体系的に整理し、属性情報を付与して検索するような文書管理まではカバーしていません

そのため、OCRで変換したデータを効率的に活用するには、文書管理システムや図面管理システムといった専用のツールと併用するのが望ましいでしょう。

図面のデータ化については、以下の記事で詳しく解説しています。図面をデータ化して効率的に管理したい場合は、ぜひチェックしてみてください。

▶︎図面のデータ化とは?最新技術を活用してコスト削減と業務効率化を実現するために

Google以外のOCRサービス5選

Google以外のOCRサービスを5つ紹介します。なお、OCR機能も備えた図面スキャンサービスについては以下の記事で紹介しているので、図面のデータ化・管理を検討している場合はぜひ参考にしてみてください。

▶︎図面スキャンおすすめ15選!データ化精度や大判/青焼き対応なども紹介

サービス名主な機能導入形態料金プラン運営会社
DX Engine自動分割・解析
情報付与・整理
全文検索
CSV出力
見積作成・日報転記
形状検索・特徴検索
クラウド型要問い合わせ営業製作所株式会社
Microsoft OneNoteOCR機能
ファイル整理
共同編集
アプリ型
クラウド型
Microsoft 365に含まれる(無料版あり)日本マイクロソフト株式会社
AI JIMY Paperbot手書き文字認識
検索・整理機能
AI解析
クラウド型要問い合わせシー・システム株式会社
LightPDFPDF編集
OCR変換
クラウド共有
Webサービス週額/月額/年額制Wangxu Technology
OCR.best画像・PDFからの文字抽出
多言語対応
Webサービス無料OCR.best

DX Engine

サービス名DX Engine
主な機能自動分割・解析
情報付与・整理
全文検索
CSV出力
見積作成・日報転記
形状検索・特徴検索
導入形態クラウド型
料金プラン要問い合わせ
運営会社営業製作所株式会社

営業製作所株式会社のDX Engineは、さまざまな書類を自動でOCR化し、AIが書類に記載の情報を整理してくれるサービスです。書類の検索や出力機能も備えており、データの管理・活用を効率化できます。手書き文字はもちろん、図面の読み取りでは形状・材質・寸法などの情報もAIが整理するため、あとから検索も可能です。

現在、DX Engineをお試しで使える無料トライアルを実施しています。ぜひこの機会にDX Engineの利用を検討してみてください。

DX Engineに関する詳しい情報・お問い合わせはこちら

Microsoft OneNote

サービス名Microsoft OneNote
主な機能OCR機能
ファイル整理
共同編集
導入形態クラウド型
アプリ型
料金プランMicrosoft 365に含まれる
運営会社日本マイクロソフト株式会社

Microsoft OneNoteは、メモアプリとして知られていますが、画像やPDFから文字を認識するOCR機能も搭載しています。ノートに挿入した画像から文字が抽出できるため、議事録や学習メモの整理などに役立ちます。クラウド同期により複数デバイスで利用可能で、Office製品との連携もしやすい点が魅力です。

AI JIMY Paperbot

サービス名AI JIMY Paperbot
主な機能手書き文字認識
検索・整理機能
AI解析
導入形態クラウド型
料金プラン要問い合わせ
運営会社シー・システム株式会社

AI JIMY Paperbotは、AI技術を活用したOCRサービスで、とくに手書き文字の認識に強みを持っています。日本語の手書き帳票や書類にも対応しており、精度の高い読み取りが可能です。OCR後のデータは検索や整理に適した形式で管理でき、バックオフィス業務や紙文化の残る企業での活用に向いています。クラウド型で手軽に導入できるのも利点です。

LightPDF

サービス名LightPDF
主な機能PDF編集
OCR変換
クラウド共有
導入形態Webサービス
料金プラン週額/月額/年額制
運営会社Wangxu Technology

LightPDFは、PDF編集や変換に加え、OCR機能を利用できるオンラインサービスです。スキャンした画像やPDFからテキストを抽出し、編集可能な形式に変換できます。操作が直感的で、専門知識がなくても利用しやすいのがメリットです。無料プランも提供されており、簡易的にOCRを使いたい個人や小規模ビジネスにも適しています。

OCR.best

サービス名OCR.best
主な機能画像・PDFからの文字抽出
多言語対応
導入形態Webサービス
料金プラン無料
運営会社OCR.best

OCR.bestは、完全無料で利用できるオンラインOCRサービスです。画像やPDFをアップロードするだけでテキストを抽出でき、シンプルかつスピーディに利用できます。アカウント登録不要で利用できるため、試験的にOCRを導入したい個人や小規模利用に適しています。

GoogleのOCR機能に関するよくある質問

GoogleのOCR機能に関するよくある質問とその回答を紹介します。

GoogleドライブのOCR機能は無料で使える?

GoogleドライブのOCR機能は追加料金なしで利用可能です。Googleアカウントを持っていれば、画像やPDFをアップロードし、Googleドキュメントとして開くだけで自動的に文字認識が行われます。

無料で使える点は大きなメリットですが、ファイルサイズやページ数に制限があるため、大量の書類を一度に処理する場合には注意が必要です。業務で本格的に利用する際には、Google Workspaceの有料プランを導入することで保存容量や共有機能が拡張され、より効率的に活用できます。

GoogleのOCR機能はスマホでも使える?

スマホからもGoogleのOCR機能を利用できます。代表的なのは「Googleドライブ」アプリで、スマートフォンのカメラで撮影した書類を直接アップロードし、そのままOCR処理をかけることが可能です。

また、「Googleレンズ」を使えば、カメラで撮った文字をその場で認識し、コピー・翻訳・検索などにすぐ活用できます。外出先で書類を確認したいときや、急ぎで文字情報を取り込みたい場面でも便利です。

GoogleのOCR機能はPDFの文字もテキスト化できる?

GoogleのOCR機能はPDFファイルに含まれる文字もテキスト化が可能です。スキャンしたPDFや画像化されたPDFをGoogleドライブにアップロードし、Googleドキュメントとして開けば、自動的にOCRが実行されます。

ただし、複雑なレイアウトや装飾が施されたPDFの場合は、変換後にレイアウトが崩れることもあるため、用途に応じて整形が必要になるケースがある点には要注意です。

GoogleのOCR機能は図面にも対応している?

GoogleのOCRは図面のような線画や複雑なレイアウトにも利用できますが、精度には限界があります。テキスト部分については認識可能なケースが多いものの、細かい寸法線や手書きの注記などは誤認識が起こりやすいため注意が必要です。

正確に図面をデータ化したい場合には、AI OCRを搭載した専用の図面スキャニングサービスや、図面管理システムと組み合わせて利用するのが望ましいでしょう。図面管理システムについては以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

▶︎図面管理システムとは?機能や導入の利点、比較ポイントについて

書類の管理ならGoogleのOCR機能よりDX Engineがおすすめ

OCRによる文字のテキスト化だけでなく、書類の効率的な管理・活用を検討するなら、営業製作所株式会社のDX Engineがおすすめです。DX Engineなら、書類や図面を読み取ってOCR化するだけでなく、AIによって記載情報が整理され、テキスト・形状・材質・寸法などさまざまな情報から書類・図面を検索できます。書類や図面にかかる時間と労力から解放され、ほかのコア業務に注力できる環境を整えたい方は、ぜひDX Engineの導入をご検討ください。

現在、DX Engineは無料トライアルを実施中です。この機会にぜひDX Engine導入によるメリットを体感してみてください。

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