製造業に役立つコンテンツ特集 ERPと生産管理システムの違いは?生産性向上の為の導入方法を徹底解説!

生産管理

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コストを抑えて構築できるクラウド型のERPの台頭により、大企業だけでなく中堅企業でもERPを導入する企業が増えています。

しかし自社に合ったERPを導入するためには、導入前に他システムとの違いを把握しておくことが重要です。

特に製造業で代表的なシステムである生産管理とERPとの違いを把握しておく事が重要です。

本記事では、ERPと生産管理の違いとそれぞれの機能やERPの導入について徹底解説します。

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1. ERPとは?

ERPとは、Enterprise Resource Planningの略で、製造業企業の経営資源の一元管理を行います。

生産管理関連のシステムは主に「計画層」「実行層」「制御層」の3層に分かれますが、ERPは「計画層」に位置します。販売部門や会計部門などの業務実行、受注から出荷までの生産スケジュール策定などを行います。

簡単にいえば、企業活動に必要な「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」を一か所で集約して一元管理するシステムです。

生産管理システムが生産管理現場で使われるシステムである一方で、ERPは製造業の経営陣も「データをいつでも見られる」状態になるため、現場の効率化だけでなく将来の経営計画立案にも役立ちます。

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2. ERP導入の目的

ERP導入の目的は2つあります。

・基幹データのリアルタイム一元管理

財務・生産管理・受発注管理など幅広い管理業務ある生産管理では、それぞれに特化したシステムを使用していると、各部門の最新状況を把握することは困難です。

ERPを導入していれば、各部門の管理を一括で行うため、部門間のリアルタイムデータ共有が可能となり、部門間情報連携の効率化に役立ちます。

・システム一元化によりコスト削減

各部門固有のシステムを複数扱うよりも、一括管理できるERPを導入したほうが基幹業務の管理コストなどを削減できます。

また、システム化や自動化により、ヒューマンエラーの防止やトラブル対処へのコスト削減も期待できるようになります。

3. 生産管理システムとは?

ERPは生産管理の中でも企業資源に関わる「計画層」に位置しますが、生産管理システムはより広範囲の生産管理の3層すべてを範囲としています。

生産管理システムは、生産管理の受注から納品までのデータ管理・分析・生産計画立案などを効率化するシステムです。その対象業務は多岐に渡ります。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

4. 生産管理の目的

生産管理の目的はQCDの最適化、つまりは生産業務の効率化です。

生産管理部門が「高品質な商品を(Q)、コストを抑えて(C)、短納期で(D)出荷する」ことで、組織の利益最大化を目指します。

生産管理部門が生産の現場を適切に管理することで、効率的で円滑な生産が実現します。

生産管理システムは、生産管理の各工程の管理を効率化するQCD最適化の為のシステムです。

5. 生産管理システムとERPの機能を比較

生産管理システムとERPはそれぞれ備わっている機能が異なります。

1. 生産管理システムの機能

生産管理はその名の通り「製造業において商品を生産する計画~出荷までの全工程を管理する」司令塔のような業務です。

生産管理システムは、主に次のような機能が備わっています。

・受注管理:受注状況の把握や納期設定、需要予測などを行う

・生産計画:受注状況や需要予測に基づき適切な生産計画・スケジュールを立てる

・工程管理:生産管理の各工程の状況把握、進捗管理を行う

・品質管理:基準を満たした品質の製品を生産できているか管理する

・出荷管理:受注や販売の状況に応じて適切に出荷できているか把握する

2. ERPシステムの機能

ERPシステムは、財務や会計など企業活動を支えるための機能が備わっています。

ERPの機能は主に「業務に関するもの」と「システム管理に関するもの」の2種類に分かれます。

「業務に関するもの」は製造、流通、生産、販売、財務、人事など幅広い業務を実施するために備わっている機能です。

多くのERPシステムでは各機能は取捨選択し、自社に必要な機能のみ利用することができます。

「システム管理に関するもの」は、データのバックアップやセキュリティに関する機能です。ERPを安定的に継続して活用するために重要な機能と言えるでしょう。

具体的には以下の機能があります。

<業務に関するもの>

・財務会計管理:財務諸表の作成、経営を可視化するための管理会計

・経費精算:備品の購入、交通費の支払いなど

・生産管理:生産計画の作成、人材の配置、工程管理など

・在庫管理:受注や販売状況に基づき在庫を管理する

・販売管理:製品の販売状況を管理する

・人事管理:従業員の状況を管理する

・資産管理:固定資産台帳の管理、減価償却を行う

<システムに関するもの>

・バックアップ機能:ERPのデータをバックアップする

・セキュリティ機能:ERPのログイン情報やセキュリティを管理する

ここで、ERPの中にも生産管理の機能があるため「ERPの中の生産管理機能だけでも活用できるのでは?」と考える方もいるでしょう。

導入するシステムが増えるほど工数や費用もかさむため、生産管理と企業資源管理のどちらにも課題を感じている場合は「ERPの導入だけで生産管理の課題も解決したい」と考えるのは自然です。

しかし判断のポイントは、「ERPの生産管理機能だけで自社業務が実施できるかどうか」です。

基本的にERPは標準業務のパッケージで販売されているため、自社に合わせてカスタマイズが難しい点に注意が必要です

自社業務がパッケージでも問題ない標準的な業務であれば、ERPの生産管理機能だけでも不足はないと思われます。しかし独自性・特殊性の高い業務の場合はERPではできることが限られるでしょう。

自社業務がERPの対応範囲内かどうかは事前に確認しておくのが重要です。

6. ERPの導入方法、メリットや注意点は?

では実際にERPを導入方法と、ERPを導入するメリット・注意点を解説します。

1. ERPの導入方法

ERPの導入は、他システムの導入時と同様に以下の流れで行います。
それぞれ解説していきますね。

<企画→要件定義→実装→運用>

・企画

ERP導入を成功させるためには特に「企画」フェーズが重要だと言われています。導入の目的や適用範囲の確認、導入委託先の選定、プロジェクトチームの発足などのタスクがあります。

特に導入の目的の明確化は、その後の必要な機能やシステムの形態、社内体制にも影響を与えるため、最も重要だと言えるでしょう。

・要件定義

発注者が主体で、細かに要件定義を行いましょう。

のちに「必要な機能に漏れがあった」ということにならないよう、慎重に業務プロセスの整理・把握を行い、ERPに求めることを決定します。

ERP導入で実現したい業務の整理や目標数値の設定、データ量の算出などを行います。

・実装

要件定義が終わると、いよいよ実装フェーズに入ります。

ハードウェアの構成決定と実装、新業務プロセスの実装、他システムとの連携、テストなどを行います。

・運用

システムの実装と導入が完了すれば、運用のフェーズに入ります。

リリース準備やリリースの審査・チェック、運用開始、導入後検証などを行います。

ERP導入の目安のスケジュールは以下です。

・中堅企業:6~12か月

・大企業:12~24か月

各フェーズで必要とされる目安の期間は以下です。

ERP導入は約1~2年のプロジェクトになることは念頭に置いたうえで、導入を検討してください。

・企画:2週間~1か月

・要件定義:1~3か月

・実装:2~4か月

・運用:2週間~1か月

2. ERPの導入形態

ERPの導入には「オンプレミス型」と「クラウド型」の2つに分かれます。

オンプレミス型は自社内にサーバーやネットワークを構築しますが、クラウド型はサーバーレスで比較的簡単に導入できます。

クラウド型であれば、自社内サーバー構築の工数も不要で初期コストも抑えられるため、初心者にはおすすめです。

現在、クラウド型でERPを導入するケースが増えています。

3. ERP導入のメリット・注意点

ERP導入のメリットと導入における注意点をご紹介します。

<メリット>

・業務プロセスの自動化、システム連携による業務効率化

・データの一元化によるヒューマンエラーの抑制

・経営の見える化による意思決定の効率化

ERP導入によってデータを1つのシステムに集約できるため、集計やデータ分析の自動化、部門間の連携効率化が可能となります。

企業情報や管理情報を登録する際にヒューマンエラーが発生するリスクがありますが、ERPを導入すれば同じデータを部門ごとに入力する必要がなくなり無駄が減り、ヒューマンエラーが起こるリスクを抑制できます。

さらに企業情報が分散・散在すると情報漏洩のリスクも高まりますが、ERPでデータが集約されることで情報漏洩対策にもなります。

<注意点>

・運用費も含めるコストの発生

・散在したデータの整理が必要

・セキュリティ対策のためにも社内教育が必要

導入の初期費用だけでなく社内教育の工数、運用費用、データ整理工数、データ移行費用などコストや工数がかさむ点には注意が必要です。

さらにマニュアルやドキュメント作成を行ったうえで、ERPの運用方法やセキュリティ対策の社内教育を実施する必要があります。

4. ERPの選び方とは?

自社に適したERPを選ぶためには、いくつかチェックするポイントがあります。

・自社課題を解決できるか

ERP導入の「企画」フェーズで確認が必要ですが、ERPの導入目的、すなわち期待する課題解決を明確にすることが重要です。

システム選定において上記の軸がぶれてしまうと、導入後に解決したかった課題が解決できないなどの事態に陥るリスクがあります。

ERP導入後の成果を最大化するためにも、事前に「自社課題を解決できるかどうか」は必ず確認しましょう。

・自社業務に特化した別システムとの比較

前述の通り、ERPは一般的な業務に対応したパッケージでの販売のため、自社に合わせてカスタマイズするには膨大なコストがかかります。

そのため、ERPカスタマイズのコストと自社業務に特化した別システムを導入するコストを照らし合わせ、ERP以外のシステムでカバーできないかどうかは一度検討する必要があるでしょう。

・スムーズに導入や運用ができるか

いくら発注者が導入の要件を詰めても、実際にERPを利用し運用するのは現場の従業員です。

自社課題が解決できるとともに、自社の従業員が使いやすいERPを選定することも重要です。

ベンダーのサポート体制などを確認しておくと良いでしょう。

・コストや機能数の適正

システム選定時にはどうしても「機能の多さ」や「費用の安さ」に目が行ってしまいがちです。

しかし機能が多いほど導入費用は高額になり、さらに費用の安さで選んでしまうと導入後に使い勝手が悪く活用できないといった事態になることがあります。

7. まとめ

ERPと生産管理システムの違い、ERP導入のメリットや導入方法について解説しました。

生産管理システムは製品を生産する工程すべてを効率化するための機能を備えたシステムです。

一方でERPは、財務や会計などを含む「製造業の企業資源を一元管理するシステム」です。

ERPには生産管理機能も備わっていますが、自社が独自性や特殊性のある業務を行っている場合、パッケージ型のERPでは大規模なカスタマイズが必要です。ERPではなく各工程特化のシステムを導入するほうが効率化できる場合もあります。

ERPや生産管理システム導入には、高いコストや長期的な導入スケジュールが必要でハードルが高く、導入に足踏みする企業も多いでしょう。

そこでまずは、煩雑になりやすい図面管理のシステム化を検討してはいかがでしょうか。

図面管理のシステム化を行うだけでも、工数削減と作業効率化が見込めます。

営業製作所では、図面をデータで一元管理できる「図面Engine」を提供しています。

図面Engineは、高いセキュリティの中で図面の取り込みや入力・データ化もすべて自動でできます。

まずは生産管理現場での図面関連の業務効率化を進めたい方は、ぜひ図面Engineの導入をご検討ください。

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