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「工作機械を導入したいけど手元資金を残しておきたい…」
「工作機械の購入に使える補助金を知りたい」
工作機械を導入したい企業は、必要な資金に対する不安が大きいものです。
そこでこの記事では、2024年に予定されている、「工作機械の導入に使えるおすすめの補助金」についてまとめてみました。
2024年に工作機械を導入するために活用できる補助金には、以下の8種類です。
- ものづくり補助金 17次・18次
- 事業承継・引継ぎ補助金 8次
- 事業再構築補助金 12回
- 小規模事業者持続化補助金 15回
- IT導入補助金2024
- 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業 令和5年補正
- 省エネルギー投資促進支援事業費補助金 令和5年度補正
- 原材料価格高騰対策支援事業(埼玉県補助金) 第2回公募
主に公募の開始日や期間、補助金の特徴、採択率や採択事例などについて、以下に詳しくご紹介します。
工作機械を導入するために活用できる補助金
ものづくり補助金 17次・18次
『ものづくり補助金』においては、17次(2023年12月27日公募開始)・18次(2024年1月31日公募開始)が予定されています。
17次締切 | 18次締切 | |
公募開始日 | 令和5年12月27日(水) | 令和6年1月31日(水) |
申請開始日 | 令和6年2月13日(火) | 令和6年3月11日(月) |
申請締切日 | 令和6年3月1日(金) | 令和6年3月27日(水) |
ものづくり補助金は、工作機械の購入を検討している企業から人気ではありますが、採択率は10〜30%程度と低いことが知られており、採択のハードルは高いと言われています。
過去3回の採択率を調査してみました。
締切回・採択発表日 | 申請者数 | 採択者数 | 採択率 |
14次(令和5年6月23日) | 4,865 | 2,470 | 50.8% |
15次(令和5年9月29日) | 5,694 | 2,861 | 50.2% |
16次(令和6年1月19日) | 5,608 | 2,738 | 48.8% |
全体的には50%前後の採択率となっていますが、枠別にみると16次における「グローバル市場開拓枠」のように30%を切っているものもありますので、注意が必要です。
事業承継・引継ぎ補助金 8次
『事業承継・引継ぎ補助金』においては、第8次公募(2024年1月9日公募開始)が予定されています。
申請受付期間 | 2024年1月9日(火)~2024年2月16日(金) |
交付決定日 | 4月上旬(予定) |
事業承継・引継ぎ補助金は、事業の後継や再編に伴う新しい挑戦を後押しするための支援制度です。
この補助金は、「経営革新」「専門家活用」「廃業・再チャレンジ」の三つの分野が用意されており、それぞれ必要とされる支援を提供しています。
締切回・採択発表日 | 申請者数 | 採択者数 | 採択率 |
7次(令和5年12月25日) | 498 | 299 | 60.0% |
採択率は60%前後であると知られており、前回の第7次公募においても、60.0%の採択率となっています。
事業再構築補助金 12回
事業再構築補助金は、第12回公募が予定されています。
2023年11月12日(日)に、内閣官房行政改革推進本部事務局により「令和5年度秋の年次公開検証」が実施され、外部有識者によるとりまとめが行われています。
その中で指摘のあった事項を踏まえて、公募が再開される予定となっています。
事業再構築補助金は、ポストコロナおよびウィズコロナの時代における経済や社会の変動に適応し、中小企業の事業の変革を促進することで、日本の経済構造の変化を加速させる目的で設けられました。
新たな市場への進出、事業の方向性変更、異業種への転換、事業形態の変更、または事業の大幅な再編を積極的に進めようとする中小企業の挑戦を、強力にバックアップしています。
そのため、申請者数は毎回1万人前後と人気の補助金となっており、採択率も30%〜50%前後と高いハードルとなっています。
過去3回の公募での採択率は以下の通りです。
締切回・受付締切日 | 申請者数 | 採択者数 | 採択率 |
9回(令和5年3月24日) | 9,369 | 4,259 | 45.5% |
10回(令和5年6月30日) | 10,821 | 5,205 | 48.1% |
11回(令和5年10月6日) | 9,207 | 2,437 | 26.4% |
直近の第11回公募における採択率は3割を切って26.4%となっており、高いハードルであることが分かります。
参考:事業再構築補助金
小規模事業者持続化補助金 15回
『小規模事業者持続化補助金』においては、15回公募(2024年2月9日公募開始)が予定されています。
申請受付期間 | 2024年2月9日(金)~2024年3月14日(木) |
交付決定日 | 受付締切からおおむね2~3か月程度 |
小規模事業者持続化補助金は、経営の持続性を追求する事業者が、自身のビジネス運営を再評価し、持続可能な経営戦略を策定したうえで実施する、市場拡大や生産効率の改善などの活動を後押しするための支援制度です。
過去3回の公募での採択率は以下の通りです。
締切回・受付締切日 | 申請者数 | 採択者数 | 採択率 |
11回(令和5年5月25日) | 11,030 | 6,498 | 58.9% |
12回(令和5年8月31日) | 13,373 | 7,438 | 55.6% |
13回(令和5年9月7日) | 15,308 | 8,729 | 57.0% |
直近3回の公募において採択率は、55%〜59%程度になっており、6割を切っている様子が分かります。
第10回公募までは60%を超えていたために、やや難易度が上がっていると考えられます。
参考:小規模事業者持続化補助金
IT導入補助金2024
『IT導入補助金2024』においては、1次(2024年2月16日公募開始)から3次(インボイス枠は5次)まで予定されています。
申請受付期間 | 2024年2月16日(金)~2024年3月15日(金) |
交付決定日 | 2024年4月24日(水) |
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者が将来的に続くさまざまな制度改正(例えば、働き方の改革、雇用保険の範囲拡大、給与の増加、インボイス制度の開始など)へ効果的に対応するための支援制度です。
この補助金によって、生産性を高めるITツール(例:ソフトウェアやサービス)の採用にかかる費用の一部をサポートし、企業の効率性と競争力の強化が図れます。
採択率が発表されている過去3回の公募では以下の通りです。
締切回・交付決定日 | 申請者数 | 採択者数 | 採択率 |
12次(令和5年12月18日) | 3,257 | 2,464 | 75.7% |
13次(令和6年1月9日) | 3,034 | 2,287 | 75.4% |
14次(令和6年1月22日) | 2,989 | 2,324 | 77.8% |
直近3回の公募において採択率は、75%〜77%程度になっており、高い採用率をキープしていることが分かります。過去には80%を超えているようなこともありました。
参考:IT導入補助金
省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業 令和5年補正
『省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業』においては、令和6年度の公募の予定はなく、「令和5年補正」で行われることになっています。
申請受付期間 | 2024年2月9日(金)~2024年2月26日(月) |
交付決定日 | 2024年3月下旬 |
省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業は、工場のボイラーや工業炉、ビルの冷暖房設備、業務用の給湯器などのエネルギー効率の低い設備を、より省エネルギー性の高いシステムへ更新支援する制度です。
この補助金は、継続的な投資計画をサポートするために、長期的な視点で設計されており、次の3年間で総額7,000億円にまで拡大する予定です。
さらに、電化や燃料の変更を含む脱炭素化を推進するための新たなカテゴリーも導入され、中小企業のカーボンニュートラルへの移行を加速させることを目指しています。
採択結果が発表されている直近の公募は以下の通りです。
申請者数 | 採択者数 | 採択率 | |
【令和4年度補正予算】省エネルギー投資促進支援事業 | 1,106 | 974 | 88.1% |
【令和4年度】先進的省エネルギー投資促進支援事業 | 1,594 | 828 | 51.9% |
【令和4年度補正予算】省エネルギー投資促進支援事業 | 1,920 | 1,307 | 68.1% |
【令和4年度補正予算】先進事業オーダーメイド型事業エネルギー需要最適化対策事業 | 9 | 4 | 44.4% |
直近の公募において採択率は、4割程度〜9割弱まで幅広い状況になっていますが、採択金額によっても影響を受けていることが分かります。
参考:令和5年度補正予算 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業|一般社団法人 環境共創イニシアチブ
省エネルギー投資促進支援事業費補助金 令和5年度補正
『省エネルギー投資促進支援事業費補助金』においては、「令和5年補正」においてエネマネ事業者が公募されます。
申請受付期間 | 2024年2月9日(金)~2024年2月26日(月) |
交付決定日 | 2024年3月下旬 |
『省エネルギー投資促進支援事業費補助金』は、高性能な省エネ設備への更新を行う際の費用の一部を補助する制度です。
石油をはじめとするエネルギー資源の価格上昇が世界的な課題となる中、省エネ設備の導入と普及がより一層の重要性を帯びています。
この背景の下、効率的なエネルギー利用を促すために、省エネ設備投資にかかる費用のサポートを提供することが、この補助金の主な目的とされています。
採択結果が発表されている令和5年度の公募は以下の通りです。
締切回・交付決定日 | 申請者数 | 採択者数 | 採択率 |
1次(指定設備導入事業) | 1,920 | 1,307 | 68.1% |
2次(指定設備導入事業) | 1,622 | 1,515 | 93.4% |
採択率は、上記の1次のように7割をきるケースもありますが、比較的高めである特徴を持っています。
参考:令和5年度補正予算 省エネルギー投資促進支援事業|一般社団法人 環境共創イニシアチブ
原材料価格高騰対策支援事業(埼玉県補助金) 第2回公募
『原材料価格高騰対策支援事業』は、中小企業が直面する原材料費の上昇に効果的に対処し、事業の基盤を強化することを目的としている自治体の補助金です。
公募期間 | 2024年2月1日(木)~2024年3月29日(金) |
事業期間 | 交付決定日から令和7年2月28日(金) |
原材料の代替や消費量の削減を目指し、埼玉県からの専門家派遣や国により認定された支援機関の指導を受けた上で行う、設備投資や新製品開発などのコストに対する支援を行います。
例えば、採択された事例に次のようなものがあります。
種類 | 業種・採択事例 | 補助対象経費 |
原材料の使用量削減(歩留まり向上・不良率低下) | 建設業(内装工事)最新式のパネルソー導入による不良率低下 | 木工加工機パネルソー |
製造業(金属製品)新規の金属切断機の導入による歩留まり向上 | アルミ用全自動切断機 | |
製造業(金属加工)複合加工機(NC旋盤+マシニングセンタ)の導入による歩留まり向上 | 複合加工機ほか |
補助金の交付については、100件程度を想定されており、予算額(補助金総額5億円)の範囲内で行われます。
そのため、申請者数や申請額等により交付決定件数は変動します。
参考:第2回埼玉県原材料価格高騰対策支援事業について|埼玉県公式サイト
今回ご紹介した補助金以外にも、製造業経営者の方に知っていただきたい補助金を以下記事にてまとめております。
お手隙の際に、ぜひご覧くださいませ。
工作機械の導入に補助金を活用するメリット
工作機械の導入に際して補助金を活用することは、初期投資の負担軽減から生産性の向上、長期的な事業競争力の強化に至るまで、多岐にわたるメリットがあります。
これらのポイントを抑え、補助金の申請から導入後の運用までを戦略的に計画することで、企業はより一層の成長を遂げることができるのです。
ここでは、工作機械の導入に際して補助金を活用するメリットについて、詳しく解説していきます。
①補助金による初期投資の軽減
補助金の最大のメリットは、初期投資の負担を大幅に軽減できる点にあります。
工作機械の導入には、機械自体の購入費用のほか、設置や運用を開始するための関連費用がかかります。
補助金を活用することで、これらの費用の一部がカバーされ、企業の財務負担が軽減されます。
この結果、資金の余裕が生まれ、他の事業投資や技術革新にも資源を割り当てやすくなります。
②製造業の生産性向上とコスト削減
補助金を利用して最新の工作機械を導入することで、製造プロセスの効率化が図れ、生産性の向上が期待できます。
現代の工作機械は、高精度で複雑な作業を短時間でこなすことが可能であり、これにより生産コストの削減にも繋がります。
また、省エネ型の機械を選択することで、エネルギーコストの削減も見込めます。
③長期的な事業競争力の強化
補助金を活用して工作機械を導入するメリットは、短期的なコスト削減や生産性の向上だけではありません。
最新技術の導入は、製品の品質向上や新製品の開発能力の強化にも繋がり、これが長期的な競争力の源泉となります。
また、環境への配慮や労働環境の改善にも寄与し、企業の社会的責任(CSR)活動を強化する効果も期待できます。
まとめ
工作機械の導入は、製造業における効率と生産性の向上に不可欠です。
しかし、最新技術を取り入れた高性能機械の導入には大きな初期投資が必要となり、特に中小規模の企業にとっては大きな負担となりがちです。
ぜひ、これらの問題を解決するため効果的な手段として、補助金活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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