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「成形機(射出成形機)の導入に活用できる補助金3選!」

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プラスチックなどの樹脂を製品に成形する『成形機(射出成形機)』の導入を検討している企業は多いのではないでしょうか。
最新の成形機の導入は、生産効率の向上、コスト削減、さらには製品品質の向上に直結するからです。
しかし、新しい設備の導入には大きな費用がかかり、多くの企業にとってその負担は軽くありません。
このような背景の中、政府や地方自治体から提供される補助金を利用することで、企業は財務負担を軽減し、より積極的な投資が可能になります。
本記事では、成形機の導入を検討する際に活用できる補助金に焦点を当て、その概要、申請資格、申請方法、そして活用のポイントについて、わかりやすく解説します。
これらの補助金を上手く利用して、事業のさらなる飛躍に繋げてみてください。
成形機(射出成形機)の導入に活用できる補助金3選!概要や補助対象経費・補助率について徹底解説
成形機(射出成形機)の導入に活用できる主な補助金には、以下の3種類が存在します。

  • 省エネルギー投資促進支援事業費補助金
  • 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金
  • ものづくり補助金

それぞれの補助金の特徴をはじめとして、概要や補助対象経費・補助率について詳しく解説いたします。

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    省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金(Ⅰ,Ⅱ,Ⅳ)

    『省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金(Ⅰ,Ⅱ,Ⅳ)』は、経済産業省が省エネ法に基づいて、一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)が運営する補助金制度です。
    次の章でご紹介する『省エネルギー投資促進支援事業費補助金』とともに、省エネへの取り組みを推進しています。

    省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金とは

    現代社会において、省エネルギーと脱炭素は、企業活動の重要な指標となっています。
    これらの取り組みを加速するために、企業が最新の省エネ技術や設備を導入することは、経済的かつ環境的にも大きな意義を持ちます。
    省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金は、先端的な省エネ設備の導入や、企業の特定のニーズに応じたオーダーメイドの設備更新、さらには電化技術や脱炭素を目指した設備の更新など、幅広い領域での投資を支援するものです。
    具体的には、更新が必要な設備の費用の一部を補助することで、企業の負担を軽減し、より積極的な省エネルギー対策の実施を促進します。
    補助金の提供を通じて、企業は最新の環境技術を取り入れることができるだけでなく、エネルギー効率の高い生産体制の構築、環境への負荷低減、そして中長期的な経済的利益の実現へと繋がります。

    概要

    • 工場・事業場型
    • 電化・脱炭素燃転型
    • エネルギー需要最適化型

    の3類型が提供されています。

    (Ⅰ)工場・事業場型

    工場や事業場全体の効率化とエネルギー削減を目指す「工場・事業場型」支援では、先進的な省エネ設備の導入を後押しします。
    この支援により、事業者は自社の特定の要求に応じた、オーダーメイドの設備や、機器設計を伴う先端技術を活用した設備の更新が可能になります。
    ⓐ先進設備・システムの導入
    工場や事業場における生産効率の向上とエネルギー消費の削減を目指し、最先端の省エネ技術やシステムの導入を促進します。
    具体的には、資源エネルギー庁に設置された技術評価委員会が設定した基準に基づき、選定された先端技術を採用した設備やシステムへの更新を支援するものです。
    これにより、事業者は最新の省エネ技術を活用して、エネルギー効率の高い運営を実現できます。
    ⓑオーダーメイド型設備の導入
    事業者の独自のニーズに合わせた設計・製造が必要なオーダーメイド型の設備更新に対する支援が焦点となります。
    特に、事業場固有の条件や要求を満たすためにカスタマイズされた設備の導入が対象で、エネルギー効率の向上と生産性の増加を同時に目指すことができます。

    (Ⅱ)電化・脱炭素燃転型

    化石燃料の使用から電力への切り替え、あるいはより低炭素な燃料への移行を目的とした設備の導入を支援します。
    ⓒ指定設備のうち電化や脱炭素目的の燃料転換を伴う設備等の導入
    エネルギー消費効率を重視し、SIIが補助対象として事前に認定した特定の設備区分から選択します。

    (Ⅳ)エネルギー需要最適化型

    エネルギーマネジメントシステム(EMS)を導入して、エネルギー使用の効率化と最適化を図る事業を支援します。
    具体的には、SIIに登録されたエネマネ事業者との契約を通じて提供される「エネルギー管理支援サービス」と連携し、エネルギー消費の監視と制御を行うEMS機器の導入が対象です。

    補助対象経費・補助率

    (Ⅰ) 工場・事業場型

    補助対象経費 補助率 補助限度額
    設計費・設備費・工事費 中小企業者等:2/3
    以内大企業、その他:1/2以内
    【上限額】
    15億円/年度(20億円/年度)
    【下限額】
    100万円/年度

    (Ⅱ)電化・脱炭素燃転型

    補助対象経費 補助率 補助限度額
    設備費
    (電化の場合は付帯設備も対象)
    1/2以内 【上限額】
    3億円/事業全体(5億円/事業全体)
    【下限額】
    30万円/事業全体

    (Ⅳ)エネルギー需要最適化型

    補助対象経費 補助率 補助限度額
    設計費・設備費・工事費 中小企業者等:1/2以内
    大企業、その他:1/3以内
    【上限額】
    1億円/事業全体
    【下限額】100万円/事業全体

    参考『省エネ設備への更新支援(省エネ補助金)

    省エネルギー投資促進支援事業費補助金(Ⅲ,Ⅳ)

    『省エネルギー投資促進支援事業費補助金』は、経済産業省が省エネ法に基づいて、一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)が運営する補助金制度です。
    上記でご紹介した、『省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金(Ⅰ,Ⅱ,Ⅳ)』とともに、省エネを推進する施策として知られています。

    省エネルギー投資促進支援事業費補助金とは

    さまざまな業種で横断的に使われる汎用的な設備の更新に対応する補助金です。
    省エネルギー投資促進支援事業費補助金は、多岐にわたる業界で広く利用される15種類の汎用設備の更新を支援するための補助金制度です。
    この補助金は、企業が生産性向上やコスト削減、そして環境保護の観点から、エネルギー消費を抑える先進的な設備へと更新する際に、財政的な支援を提供します。

    概要

    (Ⅲ)設備単位型

    エネルギー効率の高い特定の設備の導入を促進するために設けられています。対象となるのは、SII(Sustainable Innovation Initiative)が定めるエネルギー消費効率などの基準をクリアし、登録及び公表されたさまざまな設備です。
    ⓒ指定設備の導入

    • ユーティリティ設備:高効率空調、産業ヒートポンプ、業務用給湯器、高性能ボイラ、高効率、コージェネレーション、低炭素工業炉、変圧器、冷凍冷蔵設備、産業用モータ、制御機能付き、LED照明器具
    • 生産設備:工作機械、プラスチック、加工機械、プレス機械、印刷機械、ダイカストマシン

    (Ⅳ)エネルギー需要最適化型

    エネルギー需要最適化型は、エネルギーマネジメントシステム(EMS)の導入を通じて、より効率的なエネルギー使用と省エネルギー化を目指します。
    ⓓEMS(エネルギーマネジメントシステム)機器の導入

    • 『(Ⅲ)設備単位型』と組み合わせた場合のみ補助対象となります。

    補助対象経費・補助率

    (Ⅲ)設備単位型

    補助対象経費 補助率 補助限度額
    設備費 1/3以内 【上限額】
    1億円/事業全体
    【下限額】30万円/事業全体

    (Ⅳ)エネルギー需要最適化型

    補助対象経費 補助率 補助限度額
    設計費・設備費・工事費 中小企業者等:1/2以内
    大企業、その他:1/3以内
    【上限額】
    1億円/事業全体
    【下限額】100万円/事業全体

    参考『省エネ設備への更新支援(省エネ補助金)

    ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)

    「ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)」は、中小企業の成長と競争力強化を目的とした、中小企業庁および独立行政法人中小企業基盤整備機構によって実施される補助金事業です。
    この事業の管理と運営は、全国の中小企業団体を代表する中央組織である全国中小企業団体中央会が担当しています。

    ものづくり補助金とは

    「ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)」は、中小企業や小規模事業者が直面する様々な制度変更や社会的課題に効果的に対応できるよう支援する目的で設立された補助事業です。
    近年、働き方改革、被用者保険の適用範囲拡大、賃金の上昇、インボイス制度の導入など、企業運営に大きな影響を与えるさまざまな変化が予見されています。
    これらの変化に対応し、競争力を維持・向上させるためには、革新的な製品やサービスの開発、生産プロセスの効率化、省力化が必要不可欠です。
    この補助金は、そうした変革に取り組む中小企業や小規模事業者を対象に、新しい設備投資や生産性の向上に向けた活動を支援します。

    概要

    ①省力化(オーダーメイド)枠
    この枠組みは、現代社会における人手不足の課題に対処するため、デジタル技術を駆使したオーダーメイドの設備導入を通じて、生産プロセスやサービス提供の方法を効率化・高度化させる取り組みを支援します。専用の設備やシステムを投資することにより、事業運営の革新を促し、作業の自動化や省人化を実現することを目指します。

    ②製品・サービス高付加価値化枠
    ◼ 通常類型
    革新的な製品やサービスの開発に必要な設備やシステムへの投資を支援し、事業の付加価値を高める取り組みを促進します。これによって、企業は市場での競争力を強化し、持続可能な成長を目指せます。
    ◼ 成長分野進出類型(DX・GX)
    デジタルトランスフォーメーション(DX)やグリーントランスフォーメーション(GX)など、今後成長が見込まれる分野への進出を支援します。先進的な技術を活用した製品やサービスの開発に必要な投資を後押しし、新たな市場の創出や事業拡大を促します。

    ③グローバル枠
    国際市場における事業展開を通じて、国内の生産性向上を図る取り組みをサポートします。この枠組みでは、海外事業に必要な設備やシステムへの投資を支援し、グローバルな視点から企業の競争力を高めることを目的としています。

    補助対象経費・補助率

    省力化(オーダーメイド)枠

    補助対象経費 補助率 補助限度額
    機械装置・システム構築費、
    技術導入費、専門家経費、運搬費、
    クラウドサービス利用費、
    原材料費、外注費、
    知的財産権等関連経費
    ■中小企業
    補助金額1,500万円まで:1/2
    補助金額1,500万円を超える部分:1/3
    ■小規模企業者・小規模事業者
    補助金額1,500万円まで:2/3
    補助金額1,500万円を超える部分:1/3
    ■従業員数
    5人以下 :
    100万円~750万円
    6~20人 :
    100万円~1,500万円
    21~50人 :
    100万円~3,000万円
    51~99人 :
    100万円~5,000万円
    100人以上:
    100万円~8,000万円

    製品・サービス高付加価値化枠(通常類型)

    補助対象経費 補助率 補助限度額
    機械装置・システム構築費、
    技術導入費、専門家経費、運搬費、
    クラウドサービス利用費、
    原材料費、外注費、
    知的財産権等関連経費
    中小企業:1/2
    小規模企業者・小規模事業者:2/3
    新型コロナ回復加速化特例 :2/3
    ■従業員数
    5人以下:
    100万円~750万円
    6~20人:
    100万円~1,000万円
    21人以上:
    100万円~1,250万円

    製品・サービス高付加価値化枠(成長分野進出類型 DX・GX)

    補助対象経費 補助率 補助限度額
    機械装置・システム構築費、
    技術導入費、専門家経費、運搬費、
    クラウドサービス利用費、
    原材料費、外注費、
    知的財産権等関連経費
    中小企業:2/3
    小規模企業者・小規模事業者:2/3
    ■従業員数
    5人以下:
    100万円~1,000万円
    6~20人:
    100万円~1,500万円
    21人以上:
    100万円~2,500万円

    グローバル枠

    補助対象経費 補助率 補助限度額
    機械装置・システム構築費、
    技術導入費、専門家経費、
    運搬費、クラウドサービス利用費、
    原材料費、外注費、
    知的財産権等関連経費海外旅費、
    通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費
    中小企業:1/2
    小規模企業者・小規模事業者:2/3
    100万円~3,000万円
    参考『ものづくり補助金総合サイト

    ものづくり補助金の活用事例

    株式会社長浜合成工業所様株式会社長浜合成工業所企業様サイト:http://www.nagahama-ppt.co.jp/

    【ものづくり補助金活用の背景】
    玩具部品作りから始まり、あらゆるプラスチック製品を手がけてきた当社は、自動車部品、特にヘッドライト用リフレクター(反射板)の製造に携わっています。従来の間接アルミ蒸着工法に代わり、直接アルミ蒸着工法(ダイレクトアルミ蒸着工法)への需要が高まっていますが、この工法では射出成型時の表面状態が鏡面度に直接影響するため、不良率の増加が課題となっていました。射出成型時のガス発生や異物残留を防ぐために、射出成型工程の見直しが必要となっていました。

    【ものづくり補助金の活用目的】
    当社は、リフレクター用射出成型機の射出ユニットを購入し、スクリューの改良とシステム制御ソフトのカスタマイズを行うことで、以下の目的の達成を目指しました。
    ・射出成型時のガス発生を抑制し、不良率を低減
    ・メンテナンス回数の削減

    【ものづくり補助金活用の結果】
    ものづくり補助金を活用し、射出ユニットの改良を行った結果、以下の成果が得られました。
    ・スクリューの回転数の最適化により、ガス発生とプラスチック供給速度のバランスを取ることに成功
    ・不良率を80%以上低減
    ・ガス洗浄に必要なメンテナンス回数を削減
    射出成型工程の改善により、直接アルミ蒸着工法における不良率を大幅に低減し、メンテナンス負荷も軽減することができました。これにより、品質の安定化と生産効率の向上が実現し、顧客ニーズへの対応力が高まったと言えます。ものづくり補助金の活用が、当社の競争力強化に大きく貢献したと考えられます。

    まとめ

    本記事では、「成形機(射出成形機)の導入に活用できる補助金3選」と題して、成形機を導入しようと考えている中小企業にとって有益な補助金プログラムを紹介しました。
    具体的には、「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」、「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」、そして「ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)」の3つの補助金を取り上げました。
    これらの補助金は、エネルギー効率の改善、製品・サービスの高付加価値化、オーダーメイド設備の導入支援、そしてグローバル市場への進出など、多様な事業展開を目指す企業に対する財政的支援を提供します。
    特に、射出成形機などの高価な設備投資に際して、これらの補助金を活用することで、初期投資の負担を軽減し、企業の成長と発展を加速させることが期待されます。
    成形機の導入は、製品の品質向上、生産効率の改善、コスト削減につながるため、補助金を適切に利用することで、持続可能な事業運営と競争力の強化を図ることができます。
    多額の設備投資や運転資金の捻出は頭を悩ませる要因です。製造業は、社会情勢による原材料費や人件費の高騰、海外との価格競争など、コスト面で大きなリスクを伴う業種とも言えます。そのため、自己資金や金融機関からの融資などで資金を工面する方が多いでしょうが、特に製造業の方に積極的に活用して頂きたいのが「補助金」です。
    本記事で紹介した補助金以外にも様々な補助金があり、どれも積極的に利用することで生産性の向上や
    業務改善に繋げていくことが可能です。
    こちらの記事でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

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